今回は施術後の過ごし方について説明いたします。


施術後は安静にした方がいいのか、動いた方がいいのかで迷われた方もいるかと思います。

これは、術後の状態にもよりますが、痛みがなければ、軽く動いた方が効果も持続性も高まります。

その理由は、関節の性質が関係しています。

関節は、長期間動かさないと固まる性質があります。また、施術後は関節可動域が広がるため、動く事で、普段使われていなかった筋肉が活性化します。


全身には、200個の関節があり、可動域は個々で異なるため、日常生活中に全ての関節を均等に動かす事は不可能です。

よく使う関節は固まりにくくても、あまり動かさない関節は固まりやすくなります。

例えば、骨盤には仙腸関節という大きな関節がありますが、可動域は2ミリ程しかなく固まりやすい関節の1つです。この関節がズレたまま固まると、脚長差が出たまま戻らなくなり、股関節痛や膝痛の原因になります。

肩関節は、可動域が広くて固まりにくいイメージがありますが、姿勢の影響を受けやすいため、猫背にしていると胸椎が硬くなります。胸椎の左右には肩甲骨があります。肩甲骨には関節はなく、筋肉が関節の役目をしているため、胸椎の動きが悪くなると、その周囲の筋肉の動きも悪くなるのです。

肩関節と肩甲骨は2対1の割合で動くので、肩甲骨が動かなければ肩関節に負担がかかります。また、背中を丸めた姿勢は肋骨の間を狭めてしまい、その状態で固まってしまうと、腕が真上に挙げられなくなります。

このように、全身が連動して繋がっているので、動きの悪い関節1つで、それを支点にして歪みは連鎖していくのです。

施術での改善度は回数や頻度で異なりますが、痛みなどが半減した人は日常動作にとどめ、3割以下まで軽減したなら、軽い運動で様子をみるのがよいでしょう。そして、完全に痛みが消えたなら、無理をしない程度の運動習慣を心掛ける事で代謝が改善されて動きやすい体になるはずです。