日常生活で、仕事や家事に支障をもたらす原因の一つが、カラダの痛みで、日本人のおよそ8割の人が悩んでいるとされています。 頭痛を例に挙げると4人に1人とされ、女性の生理痛だと、約4割の人が悩んでいます。ところが、そのうちの7割の人が我慢しているか対処方がわからないといいます。 病気や怪我の場合でも、原因が明らかなものと、原因不明とされるものがあり、中には、明らかにされている病気や怪我が完治しても、消えない痛みに苦しんでいる人は少なくありません。 急性痛の場合、発症してすぐに症状が現れますが、その過程で症状が変化することがあります。 発症から数日経つと回復期に入りますが、機能が回復しても合併症のリスクがあります。 回復期を超えるあたりから一安心しますが、ここで気を緩めて不規則な生活習慣に戻してしまうと、再発しやすくなります。 今年の夏は、例年より暑さが厳しいためか、ぎっくり腰を発症する人が増えています。 ぎっくり腰の原因は様々ありますが、中でも骨格の歪みや、歪みや過度な筋疲労、筋力低下などによる筋力左右差と脱水による筋肉の異常が大きく関係しています。 そのため、ぎっくり腰の大半は筋膜損傷を伴うケースが多くあります。 ぎっくり腰を発症すると激痛で、その場から動けなくなることもあれば、時間と共に痛みが強くなるケースがあります。 通常は痛みのピークが発症から24時間後に来ますが、特に寝起きはカラダが硬くなっているため、翌朝が辛いはずです。 筋膜が傷つくと、改善には、順調でも1週間かかります。無理をして仕事やスポーツを続けたり、最初の処置を誤れば、2週間以上引きずるケースも少なくありません。また、椎間板ヘルニア、分離症、すべり症といった疾患を抱えているの場合、ぎっくり腰をきっかけに、疾患をより悪化させてしまう事もあります。 いずれにしても、発症後は適切な処置を行う事。さらには、睡眠、栄養など、正しい生活習慣を心掛けながら、要因を取除けば、消えない痛みはありません。 …
脱水と関節痛
今年の夏は平年よりも高い猛暑になりました。 猛暑というと熱中症に気を付けなければいけないのですが、突然起こる関節痛も無関係ではないのです。 人のカラダは60%以上が水分です。水分量は年齢で異なり、赤ちゃんが70~80%、成人男性が60%、成人女性55%、高齢者だと50~55%程とされています。これらの平均値は水分摂取量の少ない人だと、さらに少ないと思った方がよいかも知れません。 近年の猛暑続きだと、炎天下での仕事やスポーツは、1時間に1リットル以上の汗をかくことがあります。 水分摂取量は体重1キロ当たりで35mlなので、体重60キロなら2.1リットル必要です。そのため、毎日2リットル以上の水分摂取が推奨されていますが、炎天下で汗をかく人は、2リットルでは追いつくはずがないのです。また、冷房の利いたところで仕事をしている人でも、入浴や睡眠中には汗をかきます。あまり汗をかかない人でも利尿作用のある飲料ばかりを好んだり、下痢をしやすい人は、知らぬ間に脱水になっている事もあるのです。 脱水による症状は様々ですが、カラダの痛みが脱水と関係している事は珍しくないのです。 例えば、ぎっくり腰、寝違え、こむら返り、頭痛、手のこわばり、手足のシビレ、筋肉痛、関節痛・・・これらは、どの季節でも起こり得る事ですが、これらの症状の出る人の多くが脱水気味なのです。その原因の多くは筋肉の収縮が正常でないために起こります。 水分は筋肉に蓄えられて各器官に分配されます。水分が不足すると筋肉の収縮が悪くなり、筋肉の収縮が悪くなることで、関節が拘縮し、同時に血液循環や神経の働きも妨げられます。その影響が上記、症状で現れるのです。 脱水の初期症状では、背伸びした時にふくらはぎが攣ったりしますので、信号が出たら、大事に至る前に水分摂取を心掛けましょう。 …
長引く五十肩 原因と対策
四十肩や五十肩の正式名称は肩関節周囲炎と言い、関節と周辺組織が加齢で炎症が生じて、痛みや肩関節を包む膜(関節包)の癒着による肥厚で関節の体積が減り、肩が硬くなってしまいます。 発症から改善にかかる期間は平均でも一年以上というものが多く、痛みが消えても関節可動域が減少する後遺症が残るケースが大半です。何年も改善しないケースの場合だと、五十肩とよく似た症状の腱板断裂や石炭沈着性腱炎だったといいう事も少なくありません。 腱板は肩甲骨と上腕骨を繋ぐ4本の腱で、上から棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋で構成されていて、そのうちの棘上筋の損傷が多くあるようです。また、棘上筋が損傷すると、その負担により棘下筋まで損傷してしまう事もあります。 腱板損傷は自然には治らないため、状態が良くなければ外科手術しかありません。時々、いつの間にか治ったという話を耳にしますが、それは腱板損傷ではなく、疑いというだけだったと考えるのが自然だと思います。 石炭沈着性腱炎は肩関節にカルシウムが溜まることで炎症が起きてしまいます。これも自然には治りません。この二つ以外にも、最近注目されているのが新生血管です。新生血管とは正常な血管から枝分かれした新しい血管の事です。新生血管はもろくて血液がもれやすく、もれた血液中の白血球が炎症を引き起こす要因になったり、血管に沿って伸びる神経が痛みを脳に伝達するとも考えられています。 これらに共通するのは、関節可動域の減少です。肩関節の可動域が減少すると胸椎に影響が出る他、その上下にある首や腰にも負担がかかります。また、腕を挙上した姿勢では腰が反れてしまうため腰痛を発症しやすくなります。人の動作は対角螺旋で動くので、主に回旋で使われる胸椎が動かなくなると、日常動作はもちろん、スポーツパフォーマンスの低下になります。関節の動きはストレッチだけでは改善できない事が多く、場合によっては逆効果になる事もあります。 例えば、関節可動域を広げるにはストレッチが有効とされてますが、場合によっては筋や皮膚を伸ばしたい方向とは逆に収縮させた方がよい場合があります。収縮については専門的な技術が必要なものもあるので、肩の障害でお悩みの方はご相談下さい。 …
腰痛(腰椎椎間板症)
腰痛にはいくつかのタイプがあり、それぞれに対してアプローチ方法が異なりますが、いきなり外科的な手術が必要となるものは少なく、多くは徐々に進行していくので、悪化する前に対応しましょう。 今回は、腰痛の中でも比較的多いとされている椎間板の痛みをテーマにしました。椎間板は外側が線維輪で中心が80%が水分の髄核で構成されています。これが、背骨の椎骨間にあり、地面からの衝撃を吸収する役目などをしています。 そのため、椎間板には常に負担がかかり続けているのですが、そこにストレスや加齢などの影響を受けると、髄核がズレて痛みが出たものを腰椎椎間板症といいます。 そもそも、人のカラダは加齢とともに水分が減っていきます。また、椎間板に負担がかかり炎症を起こしても水分が失われます。 水分が失われると周辺組織にまでダメージが広がり神経が刺激されて痛みが現れます。腰椎椎間板症では前屈やひねり動作で痛みが強く現れますが、腰以外の箇所に痛みが現れる事もあります。 例えば、腰痛でMRI検査をすると、正常な椎間板は白く写るのに対して、椎間板症だと黒く写ります。椎間板ヘルニアのように椎間板が飛び出す事はありませんが、放置していれば椎間板ヘルニアになる事もあります。 先にも話しましたが、椎間板の中心にある髄核は80%が水分なので、加齢による水分量減少の影響を受けたり、就寝中に髄核の水分が分散するため、目覚めてから椎間板に水分が 戻るには数時間かかり、その間は椎間板の弾力性は低下しているのです。 椎間板の負担を減らす方法としては、腰筋などの筋力を高めたり、姿勢や動作の影響を受けやすいので、歪みを正して、正常な動作が出来るようにする事が大切です。 …
肩関節障害が他の関節に与える影響とは
肩関節の障害では、中年以降に発症する四十肩や五十肩が有名です。発症すると完治には、平均一年はかかるので、その間に他の関節への二次障害が起きやすくなります。 例えば、肩関節は鎖骨と肩甲骨が連動して動きます。この連動が妨げられる事で胸椎の動きも悪くなります。胸椎は体を回旋させる動きに重要な関節でもあり、胸椎の動きが悪くなると、回旋に関わる仙腸関節(骨盤)の動きも悪くなります。仙腸関節は、もともと2ミリほどしか動かない関節のため、硬くなりやすいものですが、その僅かが動かなくなると、体幹をうまく使えなくなります。 特に野球、テニス、ゴルフといったバットやクラブなどを振るスポーツは一気にパフォーマンスが低下して、様々な不調が現れます。また、肩の可動制限で腕が上がりずらくなると、腕を上げる動作時には腰を反らす形になるため、腰を痛めることに繋がります。これは、ほんの一例にすぎず、職業やスポーツなどでは思いもしない不調が出る事もあるのです。また、肩と遠く離れた箇所に現れる不調だと、それが肩のせいとは気づかないため、改善を遅らせ慢性症状に繋がる事もあります。 これらを回避するには、改善の先延ばしをしないで、都度改善に努める事が重要なのです! …
小中学生に増えてる首の不調
今までは身体の痛みのトップは腰痛でしたが、ここ数年は腰痛を超えて首の痛みで来院する人が増えています。首の不調の要因は様々ですが、最も多いのは姿勢での影響です。 猫背姿勢を例にすると、背中を丸めた姿勢をしていれば、自然に顎が前に突き出してしまいます。成人の頭の重さは6キロ前後あるので、首を最大角度の60度まで傾けた場合は、首に27キロ程の負担がかかります。 その負担は後頭部周辺の筋肉群に緊張状態を作り出し、負担が蓄積したまま首を動かし続けていると、関節軟骨が肥大増殖していき、骨に棘状のでっぱり(骨棘)が現れる事があります。 骨棘が出来ると神経の通り道が狭くなるため、神経が圧迫されやすくなります。また、椎骨動脈の血流が悪くなると、目眩、耳鳴り、頭痛などが出やすくなります。 首の負担を減らすには、頭が背骨の上にバランスよくのる姿勢を保つことが望ましいのですが、現代のようにスマートフォンが欠かせない時代になると、うつむき姿勢をしない方が難しくなります。特に小中学生は、スマホゲームに夢中になって何時間も下を向いているという話も耳にします。 辞めるのは無理としても、合間には姿勢を正して首の負担を減らしたり、軽い運動をして筋肉が硬直しないようにするなどの対策をしないと、近い将来には、首の不調は国民病のように増えるかも知れません。 …
朝と夜での身長差や若い時より背が低くなる理由とは!?
朝と夜で身長が違うと思った事はないでしょうか? これは測る時間帯にもよりますが、人間の背骨は体重などの負荷がかかると、衝撃を和らげるために弯曲が強くなります。 脊柱には、骨と骨の間に椎間板という繊維軟骨があり、負荷がかかる事で、髄核というゲル状の組織から水分が放出されます。その水分は寝ている時に吸収して元に戻る仕組みになっていますが、成人の平均体内水分量が60%に対して、65歳以上になると体内水分量は約50%に落ちてしまいます。 背骨の数は24個あるので、1ミリずつ縮んだ場合は、朝と夜で2.4センチの身長差が出ます。それらを年齢で分けると、若い人は体内水分量が多い分だけ、身長差が出やすく、高齢者は朝と夜の違いは少ない代わりに、若い時よりも背が低くなるという事です。 高齢者が朝晩に関係なく背が低くなる原因は、水分を蓄える筋肉量の減少です。水分は筋肉に蓄えられてから、身体中に分配されるため、歳と共に活動量が減れば、それに比例して筋肉量が減ります。また、全体的にみると、利尿作用のあるお茶や薬の服用量が増える傾向にあるため脱水になりやすいのです。さらには、骨粗鬆症がある人は、悪い姿勢などで背骨に負荷がかかると、弯曲が強くなった時に圧迫で骨が潰れてしまうのです。 背中を丸めた高齢者の多くは、こういった事が関係しているので、普段の姿勢、睡眠、水分がとても重要なのです。 …
骨盤の歪みから見えてくる事
人が活動している限りは、骨格は誰でも歪みます。その中でも、体の土台となる骨盤の歪みは全身に影響して、様々な不調を作り出します。 骨盤単体での歪みは、画像の赤丸で囲んだところ(仙腸関節)に出ます。 一昔前までは、仙腸関節は硬くて歪まないとされてましたが、僅かな動きがあるため、ズレが生じて、連動する他の骨格を歪ませてしまいます。 仙腸関節は、回旋を伴う動きをするため、前傾、後傾といった歪みが出やすく、骨盤が開いた歪みと思われているのは、股関節が内旋して、大転子が外側に張り出した状態が、見た目上の骨盤の開きと言う事があります。 特に、女性は、内股やペシャンコ座りが、歪みの原因になるので、日常姿勢を見直すと良いでしょう。 骨盤が前傾して歪むと、腰椎の前弯が強くなり、反り腰腰痛の原因になります。骨盤の前傾を改善する事で、背骨が正しい弯曲に戻りやすくなります。 前傾とは相対的に骨盤が後傾する歪みは高齢者や椅子に浅く腰掛ける姿勢の人に多い歪み方です。骨盤が後傾すると、股関節の被りが浅くなり、体重で股関節前面の負担が増加します。 骨盤の歪みは左右対称に出るとは限りません。左右の腸骨が互い違いに歪めば脚長差が出ます。これは、脚組をする人に多い歪み方で、上に組んだ側の腸骨が後傾します。 脚長差が2センチを超えると、何かしらの症状が出やすくなりますが、先天的に長さの違う人もいれば、事故などで脚長差が生じる事もあるので、必ずしも脚の長さが揃っていなければいけないわけではありません。 次に、骨盤が動作に与える影響ですが、私的には、これが1番重要だと思っています。 体の動作方向を、おおまかに分けると6通りあります。それらが複合的に合わさり、自由な動きが可能になります。これは、関節単体にも言える事ですが、どこか1つでも動きが悪くなると、他に影響が出ます。 例えば、動作検査をすると、骨盤が動かない人がいるのですが、この時点で、仙腸関節の動きが悪い事が見えてきます。 人の体は、背骨を軸に体格螺旋に動きます。 回旋動作は主に胸椎と股関節が行うので、仙腸関節が動かないと、連動する股関節の自由度がなくなります。 その結果、運動パフォーマンスが低下したり、不調に繋がるのです。 これを、改善するための、自宅で出来る簡単な体操を教えます。体操を行う前には、体操前後の関節の動きを比較するための検査を行って下さい。 最初に、仰向けに寝て、肘を曲げずに足を片方ずつ上げます。自然に上がる位置を確認するだけなので、無理やり上げないで下さい。 検査が終わったら、立位で両手を前に伸ばして、手のひらに膝を交互に、10回当てるようにします。次に両手の幅を広げたり、狭くしたりして、膝当てをします。各10回くらいから始めて、慣れてきたら回数を増やすようにします。 最後は、最初にやった仰向けで足を上げてみます。 効果が出ていれぼ、最初より、軽く足が上がるはずです。 関節が固まる前段階であれば、これくらいの体操でも十分な効果が期待出来ますが、あまり変わらない場合は、しっかりとプロの矯正を受けて下さい。 …
使わない筋肉が歪みを生む!
人の体は骨格だけで自立しているわけではなく、四方八方から張り巡らされた筋肉が支えています。 筋肉は使わなければ衰えていくため、楽な姿勢などで筋力が低下すると、骨格の支えには偏りが出るため、姿勢維持に影響してしまいます。 スポーツで体を動かしている人は、筋肉の衰えを感じないかも知れませんが、全身には大小を含めると600を超える筋肉が存在するため、全ての筋肉が正常に機能しているとは限りません。 それは、スポーツ動作の基本が一定方向への反復繰り返しという事もあります。 適度な筋力左右差は運動能力を高めている証になりますが、スポーツに真剣に打ち込んでいる人は、常に上を目指すため、過度な筋力左右差が生じてしまいます。 筋肉は関節をまたいで骨に付着している為、強い筋側に引かれて関節がズレたり捻じれて歪みます。その影響は、柔軟性の低下、筋出力の低下、思った方向に力が出ないなど、競技力の伸び悩みや様々な不調に繋がります。 スポーツをしない人の場合は、衰えによる機能低下で、関節可動域が狭くなり、本来あるべき体の弾力がなくなり、関節や周囲組織に無理な力がかかり続けてしまいます。 これらは未然に防ぐ事が出来ます! スポーツをしている人の筋力左右差は、強すぎる筋肉に問題があるため、拮抗する筋肉を強化するトレーニングを加えてあげれば良いのです。既に不調が出ている場合は、パートナーに手伝ってもらいながら、弱い筋に軽い負荷をかけて神経筋を刺激しながら徐々に可動域を広げます。言葉では伝えにくいですが、筋出力なら20%くらい回復する感覚が蘇り、体の柔軟性を感じることが出来ます。 加齢による機能低下が始まっている人の場合は、無理な筋力トレーニングは出来ないため、まずは姿勢改善から始めると良いでしょう。日常には体が歪む原因が沢山あります。歪みやすい環境を整えるだけでも不調は減るものです。 例えば、テレビの配置で、首を横に向けたままテレビを見ていませんか?頚椎の捻じれは連動する胸椎も歪ませます。背中を丸めたりストレートになり過ぎている人は、胸椎が固まりやすく、その影響は首肩に出ます。このように、体は繋がっている為、ここだけが悪いという事はないのです。普段の何気ない日常を見直してみると、知らず知らずに歪ませていたことに気づくかも知れません。 …
誰にでも出来る腰痛対策!
一生のうち、誰もが一度は経験するのが腰痛です! 腰痛と言っても、軽いものから、その場で動けなくなるものまで様々です。 これらの違いは、腰痛の種類が一つではないからです。 腰痛の見分け方は、前に曲げた時に痛いか、後に反らした時に痛いかなどで分別しますが、専門的な話になってしまうので、ここでは腰痛全般での対策をお伝えします。 腰痛対策の基本は予防です。予防で重要なのは、腰に負担をかけない事です。 腰への負担は、日常姿勢が大きく関係するので、まずは、正しい姿勢を覚えましょう。 正しい立位姿勢は、真横から見た時に、耳、肩、股関節側面、膝側面、外踝が縦に揃う立ち方です。その立ち方を意識しながら、壁の前に立ち接触している箇所を覚えておきます。そして、立ち方を記憶させるために、毎日壁の前に立つようにします。 歪みが出ているかを確かめたい時は、壁の少し間に立ち、少しずつ後ろに下がって、最初に壁に接触する位置が、正しい立ち方の時と違っていないかを目安にすると良いです。 座位は、椅子に座る時に、腰と膝が直角に曲がるようにします。この時、足裏全体が床に付く高さの椅子が理想です。 実は腰痛の大半は座位姿勢が原因になっています。 座位姿勢は立位姿勢よりも、接地面が広く、楽な姿勢をとりやすいために、背中が丸まりやすいからです。事務仕事などで、長く座る時は、少なくとも30分に1回は立つようにして、背筋を伸ばすようにしましょう。また、ジッとしている姿勢は筋肉や関節が固まりやすくなるので、足組をするなら交互に組み替えるなどして下さい。 最後に、寝姿勢ですが、出来れば仰向けが望ましいのですが、既に腰痛が出ている時は、横向きに寝て、背中と膝を軽く曲げると痛みが緩和されます。しかし、腰痛がない時は、横向きで寝る事で、下になる側の肩が内側に入り込んで巻き肩の歪みを形成してしまうので注意が必要です。 布団の硬さは、柔らかすぎると、骨格が歪みやすいので、少し硬めのが腰痛予防になります。 朝、目が覚めた時に、いきなり起き上がると、ぎっくり腰になる人もいますので、寝ている間に硬くなった筋肉や関節を少し動かしてから起きるようにしましょう。 日中、活動している時など、荷物やバッグを持つ時は、交互に持ち替えたり、重いものを地面から持ち上げる時は、荷物との距離が空くと、前屈み姿勢になり、腰の負担が大きくなるので、出来るだけ荷物との距離が空かないようにしましょう。 腰痛は姿勢だけでなく水分不足も大敵です。突発的に起きる、急性腰痛のぎっくり腰は、その大半が筋膜の損傷です。筋膜は、全身の筋肉の上を包み込むように覆っている、伸縮性のある薄い膜です。不良姿勢や水分不足などが起きると、筋肉の収縮が悪くなると同時に、筋膜がよじれたり癒着して裂けてしまう事があるのです。 傷ついた筋膜は、処置が良ければ1週間程で修復しますが、応急処置を間違えると、さらに悪化して、2週間、場合によっては、1か月たっても違和感が残る事があります。 予防に勝る治療なし!この言葉を忘れないようにして腰痛から身を守りましょう!! …