病気や怪我などで身体が動かせない状態が続くと、完治した後も身体が思うように動かなくなります。こういった機能低下が起きても、何もしないで悪化させてしまう人が後を絶ちません。


安静などで身体を使わない状態が続くと、関節が硬くなり、関節をまたぐ筋肉の収縮活動が減少するため、筋肉は衰えていき、筋肉と並走する神経の働きも低下します。


低下した機能の改善には、狭くなった関節可動域を正常にするのが効果的ですが、自分で行うストレッチが効かない箇所に機能障害が起きていると自力回復は見込めないため、セラピストの手を借りて他動的に動かしてもらう方が近道となります。しかし、いかに専門家でも、施術だけで回復させるわけではありません。


患者が自発的なエクササイズをするとしないでは雲泥の差が生じます。なぜなら、機能低下は病気や怪我だけではなく、加齢や運動不足でも生じるからです。


人は誰でも40代には筋力低下が始まるので、その年代以降の人は、機能低下が回復したから終わりではなく、その後も適度な運動を続けなければいけなくなります。しかし、皆が運動好きではないので、運動が苦手な人は、旅行やレジャーなどで身体を動かす習慣をつける工夫をすると良いでしょう。


仮に、旅行やレジャーでは運動量が少ないとしても、一日中何もしないでいるよりは、気晴らしに外の景色を眺めたり、いつもより多く歩くことで、気持ちが前向きになり機能低下を予防できるからです。