症例別の対処法について 当院は医療機関ではないため、病気や怪我に対する診断および医療行為は行っていません。そのため、医療とは異なる視点で痛みや違和感と向き合っています。 頭痛 頭痛には片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛があり、そのうちの大半は緊張型頭痛です。緊張型頭痛はストレスや日常姿勢などで起こるので、背中を丸めた姿勢には気を付けましょう。また、頻繁に頭痛の出る方は頚椎や後頭関節の他、肩甲骨周囲も硬く拘縮していると思われます。拘縮が起こると関節が正常に動かなくなり慢性頭痛の原因になります。 対処法 慢性的な頭痛は背筋群の筋緊張の緩和と頚椎、胸肋関節、後頭関節の引っかかりを取除いて、過緊張した筋肉から出る頭痛物質の減少を促す施術を行います。 首の痛み ■寝違え 目覚めた時に首が固まっていたり、痛くて動かせないことを寝違えといいますが、枕が合わい人や、スマホの見過ぎ、首や僧帽筋に負荷をかけた筋力トレーニング翌日に起きることもあります。軽度のものであればストレッチで改善することもありますが、首に不調をかかえている人だと、負担が蓄積していて筋膜が損傷するケースも考えられます。 ■ムチウチ症 ムチウチ症は頚椎下部の動き過ぎが症状の原因になっていると考えられます。外部の衝撃で関節や周辺組織が大きく動かされると、防御反応で筋肉が固くなります。体を守るために固くなった筋肉なので、マッサージ等で緩めても、すぐに硬くなってしまうのです。こういったケースでは、緩み過ぎた箇所とそれ以外の硬くなっている関節の比率を合わせる調整が必要になります。 ■頚椎症 頚椎症は加齢などで頚椎の変形や変性で神経が圧迫されて生じる痛み症状です。 重症化すると麻痺や歩行困難で手術が必要になることもありますが、早期段階であれば、関節調整で、頚椎の負担を減らすことに繋がります。 対処法 首の動きの大半は上部頚椎が行うため、硬くなりやすい後頭関節周囲の調整と胸椎上部の捻じれがあれば正しい位置に配置する必要があります。右利きの人だと胸椎上部が筋力差でズレてしまうため胸鎖乳突筋が過緊張しやすくなります。全体的な調整をした上で頚椎の可動域を取り戻すことを優先した調整を行います。 肩の痛み ■野球肩 野球肩はオーバーヘッドスローイング動作をする投球時の他、バレーボールのアタックやテニスのサーブなどの繰り返し動作で棘上筋に過負荷がかかって発症する肩の障害です。特に体の出来上がっていない少年期からスポーツを始めることでの発症が目立ちます。 ■肩こり 肩こりには内臓が関係するものと、筋肉や関節などが関係するものがあります。また、脱水でも肩こりが起こります。 肩こりがマッサージで改善しない場合は頚椎や胸椎の動き過ぎが原因となることがあります。頚椎や胸椎が動き過ぎると脊髄を傷つけないように防御反応で首肩の筋肉が固くなるからです。動き過ぎた関節が原因の場合は、それ以外の硬い関節にアプローチした全身調整で改善緩和に繋がります。 ■五十肩 四十肩や五十肩は肩関節を構成する関節、軟骨、靭帯、腱などの老化で、主症状は肩の痛みや腕が上がらないといった可動域制限です。 ピーク時は痛みで眠れないことがありますが、その原因は肩関節にかかる圧が関係するので、次の方法を試して下さい。 仰向けで寝の場合、肩より肘の位置が低くなることで肩関節に圧がかかるので、肘の下にタオルを敷き、肩と肘を同じ高さにして腕をお腹の上に乗せて下さい。 回復までの期間は最低でも3ヶ月~1年程かかるので、その間のリハビリ怠ると可動域制限などの後遺症が残ります。 ■長引く五十肩(新生血管) 長引く五十肩の原因として新生血管(もやもや血管)が影響していることがあります。新生血管は炎症によって、正常な血管から枝分かれした血管で、細くてもろいために、炎症物質が漏れやすく、漏れた物質が痛みの原因になることがあるからです。 ■石灰性腱炎 五十肩と似ている症状で腱のまわりに石灰がたまり痛みを生じる石灰性腱炎があります。石灰はレントゲン検査で白い影で映るので、発症初期は、針を刺して石灰を吸引する方法がありますが、時間が経過すると石灰が硬くなってしまいます。 ■腱板損傷 五十肩と思っていたのに腱板損傷だったというケースは少なくありません。この場合、気を付けなければいけないのは、ステロイド注射を複数回打つことです。ステロイド注射をした箇所はダメージが残るので、万が一にも腱板損傷で手術が必要になると、再発の確率が高くなってしまいます。 ■肩甲骨の痛み 肩甲骨の間は胸椎で、肋骨と繋がっているために、姿勢の影響を受けやすい部位です。 胸椎の動きが悪くなると、その周辺の筋肉の収縮力が低下して凝り固まるため、筋肉から発せられる疼痛物質が痛みを出すことがあります。 ■上腕二頭筋長頭腱炎 上腕二頭筋長頭腱炎は力仕事やスポーツをする方が発症しやすい筋腱の炎症です。発症する部位は二の腕です。 対処法 肩の不調は肩関節と肩甲骨との連動がなされているかが重要ですが、肩だけにとらわれていると本当の原因を見逃してしまいます。例えば、野球の投球フォームのような捻転動作では、肩以上に背骨や股関節が重要な役目をします。これらの関節の動きが悪いと手投げになってしまい、遠くに投げることは出来なくなります。こういった事はスポーツだけに限らず、肩の不調全般にいえることなので、全体的な調整をしながら、患部の動きを妨げている箇所を探り出して調整していくようにします。…