症状の対処法 当院は医療機関ではないため病気や怪我の診断は行ないません。ここにある症例は進行状況によっては手術が必要になるものもあります。そうなる前の段階で対処していけるように、医療とは異なる視点でお力になりたいと思っております。 頭痛 頭痛の要因は数多くあり、目覚めた時から痛いものや、寒暖差や寝不足の時に起きるもの、運動後に起きるものと様々なものがあります。自身の頭痛のタイプを知り予防していきましょう。 頭痛のタイプは大きく分けると次の3つがあります。①片頭痛 ②緊張型頭痛 ③群発頭痛 これらの頭痛で最も多いのは②の緊張型頭痛でストレスや日常姿勢などで発症します。特に背中を丸めた姿勢は頚椎や後頭関節、肩甲骨周囲の過緊張で体の力が抜けなくなるため、慢性的な頭痛に繋がることがあります。 対処法 頭痛はタイプによって対処の方法が異なります。緊張型頭痛は収縮した血管を広げて血流を促したり、筋肉の緊張を緩めると楽になります。首や肩を蒸しタオルで温めたり、お風呂も効果的です。一方、片頭痛は頭蓋内の血管が拡張して起こるので、首を冷やすなどで血管を収縮させなければいけません。また、寒暖差で自律神経が乱れると症状が出やすくなるので、交感神経と副交感神経のバランスを整える背骨の調整も有効です。 首の痛み ■寝違え 寝違えは寝ている間に発症する首の痛みです。その多くは筋膜損傷や軽度の肉離れなので就寝以外の時間でも発症します。要因には枕が合わない、スマホの見過ぎ、首や僧帽筋の筋力トレーニング後など、普段の日常動作で起こります。軽度の症状はストレッチで改善することもありますが、筋膜損傷のような怪我は完治に1週間ほどかかります。 ■ムチウチ症 ムチウチ症は外部からの強い衝撃で、頚椎下部が大きく動かされることで発症します。衝撃を受けた関節や周辺組織は防御反応で筋肉が硬くなります。体を守るための反応なので、温めたりマッサージをしてもすぐ戻ってしまいます。また、気圧の影響で症状が悪化することがあります。 ■頚椎症 頚椎症は加齢による変形や変性で神経が圧迫されて生じる痛みです。重症化すると麻痺や歩行困難で手術が必要になることもあります。 ■頸椎ヘルニア 骨と骨の間にある椎間板が飛び出して脊髄や神経を圧迫します。症状は首から腕にかけての痛みや痺れです。原因には、加齢や姿勢などがあります。進行すると手足の動きにも影響していきます。 対処法 首の不調は頸椎の過剰な動きすぎによるものが多くあるため、硬い関節の柔軟性を高めて、動き過ぎている関節とのバランスを整えます。頸椎で硬くなりやすい箇所は上部頸椎(環椎・軸椎)と下部頸椎なので、可動性を注視しながら緻密な調整を行います。また、下部頸椎がズレると上部胸椎が歪んで首の負担が増えてしまうため、先に全身調整をしてから胸椎の調整を行ないます。 肩の痛み ■肩こり 肩こりの多くは筋肉の血行不良で起こります。筋肉に老廃物がたまると筋肉細胞から発する発痛物質で強い痛みに変わることもあるのです。また、マッサージで改善しない肩こりは、病気や脱水によるものと、頚椎や胸椎の動き過ぎが原因のものがあります。頚椎が動き過ぎると、脊髄を傷つけないように防御反応が働き、筋肉が硬くなるからです。原因の多くは、動き過ぎている箇所以外の関節の引っ掛かりです。 ■五十肩 四十肩や五十肩の原因は肩関節を構成する関節、軟骨、靭帯、腱の老化です。主症状は、肩の痛みや腕が上がらなくなる可動域制限です。 眠れない程の痛みが続く場合は、肩関節にかかる圧のせいかも知れませんので、次の方法をお試し下さい。 ※就寝時に肘の下にタオルを敷いて、肩と肘を同じ高さにして、腕をお腹の上に乗せると圧の減少になります。 五十肩の完治までの期間は平均で1年程かかります。その間は、痛みの強い急性期、拘縮期、回復期と3段階あり、後遺症を残さないためには2段階目の拘縮期が重要です。拘縮は2カ月を超えると戻りづらくなるので、激しい痛みが治まってきたらリハビリを始めていきましょう。 ■長引く五十肩(新生血管) 長引く五十肩の原因として、近年注目されてきたのが新生血管(もやもや血管)の存在です。新生血管は炎症によって、正常な血管から枝分かれした血管のことです。細くてもろいため、炎症物質が漏れて痛みの原因になるのです。 ■石灰性腱炎 石灰性腱炎は五十肩と症状が似ていますがレントゲン検査で白い影で映ります。発症初期は針を刺して石灰を吸引して取り除く方法がありますが、時間が経過すると石灰が硬くなるため、経過観察になることが多くあります。 ■腱板損傷 五十肩に間違われる症状で多いのが腱板損傷です。レントゲンは骨しか映らず、動作検査でもわからないことがあるため、MRI検査が確実です。腱板損傷でステロイド注射を打つことがありますが、ステロイド注射はダメージを残すため、今後、手術が必要になった場合は再発の確率が高くなります。 ■野球肩 野球肩は、投球動作やバレーボールのアタック、テニスのサーブ動作などを繰り返すことで、棘上筋に過剰な負荷がかかり発症します。特に体の未発達な少年期からスポーツを始めた人の発症率が高くなっているのも特徴の一つです。 ■胸郭出口症候群 胸郭出口症候群は神経や血流の障害で、腕を挙上する動作で肩や腕、肩甲骨周辺の痛みや痺れが出たり、握力低下で手先が動かしにくいなどの運動麻痺症状が生じる疾患です。特徴は、鎖骨下動脈が圧迫されると血流が妨げられて腕が白くなり、鎖骨下静脈が圧迫されると血液の戻りが妨げられて青紫色になります。原因には、重いものを持つ姿勢など、肩が下がることが関係するため、なで肩の人が発症しやすくなります。 ■肩甲骨の痛み…