骨格ケアセンターの渡邊英司です。 今回の症例は、骨盤後傾から骨盤前傾への姿勢変化についてです。 小学生の頃から施術に通われていて、現在も部活でバスケットをしている子が、久しぶりに腰痛で来られました。 動作検査をすると、前屈で痛みは出ませんが、後屈動作に痛みが出て、側屈と回旋動作は伸びた側に痛みが出ました。 症状が筋肉痛に思えたので話を聞くと、部活の部員が少ないために、痛くても練習が休めないとの事でした。 筋肉はトレーニングによる損傷と回復を繰り返して鍛えられますが、回復しないうちに負荷がかかると損傷が回復せずに炎症することもあります。また、今回のケースは不良姿勢による影響もありました。 不良姿勢での運動は、通常の姿勢よりも無理な体勢を強いられるからです。初回の記録をみると骨盤後傾と記されているのに、今回は骨盤が前傾に変化していました。姿勢の変化は年代や妊娠で変わる事がありますが、今回のケースは姿勢変化の起きる時期と不良姿勢が重なりハイパーモビリティー(動き過ぎ)になってしまったのではないかと思えます。 ハイパーモビリティーになると、関節が不安定になります。骨盤が前傾する人は腰椎すべり症、分離症、脊柱管狭窄症に繋がる事も考えられます。また、骨盤が後傾する人は椎間板に負担がかかり、椎間板ヘルニアを発症することもあります。これらを防ぐためにも、全身の柔軟性とスタビリティーを高める必要があるのです。 …
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ランナーの敵は関節痛
骨格ケアセンターの渡邊英司です。 10月21日(日)はアクアラインマラソンの応援隊として、エルシオン KISARAZU に行ってきました。エルシオン KISARAZU は木更津港の前にある結婚式場です。 敷地内には、かずさFMの中継所が設置され、JCOMテレビ(わっしょい木更津)が撮影に来ていました。この場所は、スタート地点から近いので、合図がなるとすぐに先導車両が見えてきました。暫く見ていると一団の中にオリエンタルランドの藤森慎吾さんと似ている人が走っているなと思っていたのですが、彼は、ちばアクアラインマラソンのPR大使だけでなくランナーでもあったようです。 この日は、朝から冷え込んで、日中も気温が上がらなかったので、屋外に設置されたマッサージブースは閑散としていましたが、その分はランナーをまじかで観察できた貴重な一日になりました。 詳しくは知りませんが、走法には歩幅を小さくして進むピッチ走法と、歩幅を大きくするストライド走法があります。歩幅の小さいピッチ走法は身体の上下動が少ないので地面の衝撃を減らす事が出来る代わりに、体力の消耗が早くなります。しかし、個人的な考えだと、歩幅を狭くする事で、踵が先に着地して地面の衝撃を強くしてしまう事もありえるので注意が必要です。 歩幅を大きくするストライド走法は、タイムを縮めたい人には向いてますが、身体の上下動が大きいので地面の衝撃が強くなります。また、股関節の硬い人がストライド走法をすると、歩幅が大きくなる分だけ関節可動範囲に余裕がなくなるので筋疲労が早くなる事もありえるのです。 マラソンは地面の衝撃を受けながら長時間走り続ける競技なので、これらのメリットの生かし方や、デメリットの補い方を学習して、いかに関節に負担をかけない走りをするかが重要です。いくら体力があっても、膝や股関節の痛みがいつ発症するかは誰にもわかりません。 ランナーの最大の敵は関節痛かも知れません! …
二次障害を引き起こす代償動作
骨格ケアセンターの渡邊英司です。 痛みを我慢していたら、痛みが他の箇所にでる事があります。これは痛みを庇う事で、筋肉の運動パターンが変化するためです。 痛みを庇う代償動作は、通常の運動パターンとはかけ離れた動きをする事が多いために、筋の不均衡が起きやすくなるのです。 一動作に関係する筋肉に不均衡が生じると、関節可動域に左右差が現れたり関節の安定性が失われたりします。庇う事で一時的に痛みが消えても治っているわけではなく、他が代償しているだけです。 大元の機能障害を発見するには、姿勢や骨格の歪み方、あるいは筋肉の強弱差や関節の動きをみる必要がありますが、多くの場合は関節周囲の筋に不均衡が現れるようです。 …
姿勢維持の原則
骨格ケアセンターの渡邊英司です。 日常生活の中には、不良姿勢の要因となるダメな姿勢が数多くあります。しかし、それらを禁止にして、良い姿勢だけでいることは不可能です。 立位だけでなく、座位で姿勢を維持するにも筋肉には負荷がかかります。また、人の動作は良い姿勢ばかりではなく、時として無理な姿勢を強いられる事もあります。 整体院にいくと、この姿勢はダメ、あの姿勢もダメと、ダメダメだらけの指導を受けると思いますが、そういった約束を守る人はまずいません。だから、絶対にしないではなく、あまりしないようにすれば良いのです。そして、不良姿勢より正しい姿勢の比率を増やす努力をすることです。 例えば、悪い姿勢をしてしまったら、その後に良い姿勢を意識したり、ジッとした姿勢で身体が固まったらストレッチをしてみる。また、一日の活動の中に背筋を伸ばす動作を取入れるのも良いです。人と話す時や電車の吊革につかまっている時にこういった動作を取入れるだけでも、不良姿勢に対する意識が高まります。それが常になれば、意識しなくても姿勢を正す習慣が自然に身に付いていくはずです。 …
リハビリと機能向上
骨格ケアセンターの渡邊英司です。 リハビリ(機能回復)と機能向上は同じようにみえて異なるものです。 リハビリの目的は、通常より著しく低下した身体機能を元に戻す目的で行われますが、機能向上は、スポーツ競技力を高めるために通常機能に力や柔軟性を加算する目的で行われます。 例えば、病気や怪我で身体が動かせない状態が続くと筋力低下が起きて筋肉や関節が拘縮します。病院で行うリハビリは自動運動が主になりますが、なかなか回復しないのが現状なはずです。 こういったケースは先に動かない関節や筋の拘縮を取り除いてからでないと、女性や高齢者には簡単な運動すら出来ない人もいるのです。また、機能回復で重要なのは足腰なので椅子を使って深くしゃがまないスクワットをお勧めします。 次に、機能向上といえば、主にスポーツ選手が競技力の向上のために筋力や柔軟性を高めるために行います。 これは、現状の機能を高機能にするのが目的なので高負荷をかける必要があります。しかし、高負荷のかけ過ぎには注意がいります。 筋肉は過度に鍛えると損傷が生じ、スポーツ動作によってはきつい姿勢をとり続けなければいけない時もあります。 こういった損傷と緊張を繰り返すと筋肉が固まり血流障害が起こしてしまいます。 特に、スポーツ選手は試合が近づくとプレッシャーがかかり追い込んでしまう事があります。 しかし、筋肉の向上には負荷⇒疲労⇒回復というリズムに続いて超回復が得られるのですが、回復途中で負荷をかけると、疲労が蓄積して、せっかく向上した機能まで低下させてしまいます。 さらには損傷を広げる原因となり慢性的な筋筋膜性の痛みに繋がる事もあるのです。 そして、スポーツをしている人は一般の人より過度に体を使っている認識をもつことです。 そこには、自身が感じていない機能障害が必ず起きていて、本体の身体能力が出し切れていないのです。 まとめ リハビリ⇒他動的に機能障害を取り除く⇒椅子を使ったスクワット 機能向上⇒トレーニング負荷⇒疲労回復⇒超回復※休息と栄養 …
むちうち症(頚椎捻挫)
骨格ケアセンターの渡邊英司です。 むち打ち症は、交通事故やスポーツ活動などによる外部の衝撃を受けて発症します。 症状には頭痛や、首肩の凝り、吐き気、めまい、手のしびれなどが出る事がありますが、発症後すぐに出る人と、時間が経過してから出る事があります。 私もオートバイ事故で重度のむち打ち症を経験しています。当時は強烈な頭痛が二年も続き、首や肩は石のように硬くなっていました。現在も時々症状は出ますが、栄養、筋トレ、自己調整で何とかしのいでいます。 栄養面で大切なのはたんぱく質ですが、これはプロテインで補えます。筋トレは、首を直接鍛えると、かえって症状を悪化させる事があるので、軽いダンベルなどで肩の上下運動で僧帽筋を鍛えることをお勧めします。 頚椎上部の緊張が高まると、全身が筋緊張して症状を悪化させる事になので、日頃の姿勢や枕にも注意が必要です。また、首の屈曲動作に障害が出ている場合は胸椎の調整、伸展動作は頚の舌骨の動きを調整すると効果的です。舌骨の調整は直接的ではなく、上下の筋をストレッチさせるイメージで行ないます。 ※頚椎の前に飛び出ているのが舌骨 以上をまとめると、たんぱく質摂取、僧帽筋群を鍛える、上部頚椎、胸椎、舌骨を緩めるになります。 …
姿勢改善には手関節調整が不可欠
骨格ケアセンターの渡邊英司です。 趣味やスポーツを楽しんでいる時に姿勢や動作を気にする人はいないと思いますが、一定の姿勢を続けていると筋肉や関節は硬くなります。それは手でも同じです。 例えば、トンカチを使う大工さんやゴルフクラブやバットを振るスポーツ選手たちは、手を握るだけでなく握力も使うので、手を握る筋肉や相関する前腕屈筋群、上腕二頭筋、肩関節屈筋群が硬くなります。それに連鎖して大胸筋が緊張して巻き肩になりやすくなります。 逆に背中を丸めた姿勢も肩が内巻きに入り込むので、肩関節屈筋群や上腕二頭筋とともに手が硬くなることがあります。 こういった、あまり関係なさそうな箇所でも、硬くなれば姿勢に影響してしまいます。そのため、手を調整することも改善には不可欠なのです。 …
痺れや痛みで歩けなくなる間欠性跛行
骨格ケアセンターの渡邊英司です。 間欠性跛行とは少し歩いただけで、足に痺れや痛みが出てしまうため、休み休みでなければ歩けない症状のことです。これは高齢者に多くあり、原因には二つあります。 その一つは脊柱管狭窄症です。 脊柱管狭窄症は加齢や腰にかかる負担の蓄積で発症します。これらは腰椎の変形などで背骨の内側を通る神経や脊髄が圧迫されてしまう事で症状が現れます。 狭窄症は身体を丸めると神経の圧迫が緩和されて楽になる特徴があります。 これを水道ホースに例えると、後屈動作で折れ曲がり前屈動作で広がるイメージです。そのため、身体を反る姿勢で症状が強くなるのです。 もう一つの間欠性跛行は閉塞性動脈硬化症による血流障害があります。これは血管の病気で起きるので、対応も整形外科ではなく血管系の病院になります。 原因がわからなくて、どこの病院に行けばいいかがわからない人もいますが、この二つの間欠性跛行には見分け方があります。脊柱管狭窄症は身体を丸めなければ楽にならないのに対して、閉塞性動脈硬化症は少し休むだけで歩けるようになります。 注意しなければいけないのは、既に脊柱管狭窄症と診断された人かも知れません。脊柱管狭窄症は進行するのでいつ間欠性跛行が起きても不思議ではありません。そうなると仮に閉塞性動脈硬化症を発症しても血管の病気と思わずに見過ごしてしまう可能性があるのです。 私の所にも脊柱管狭窄症の方がよくみえますが、その中で早急に手術が必要な方はまだいません。多くの方は経過観察中なので痛みの緩和に来られます。また、脊柱管狭窄症という診断を受けていても、痛みや痺れの原因が狭窄症とは限りませんから、歪みを整えるだけで改善緩和する事もあります。逆に血管の病気の疑いがある人は、脳卒中や心筋梗塞など命にかかわる事もあるので早急に病院を受診してはいかがかと思います。 …
骨格矯正後の姿勢変化
骨格ケアセンターの渡邊英司です。 体の痛みの原因に姿勢が関係する事はあきらかですが、多くの人は不調が起きても姿勢を正そうとせず、湿布や痛み止めに頼ります。 これは根本改善ではなく、一時的な痛みの消失でしかないのです。 姿勢矯正が何の目的で行われているかを知らない限り、この傾向は続くはずです。 姿勢矯正による変化は体の負担を減らしてエネルギー効率を高めることです。 そして、正しい姿勢を維持する感覚を身体で学習することです。 骨格の歪みを整えた事のない人は、今までの姿勢が正常と認識しているため、正しい姿勢に慣れるまではバランス感覚が乱れた感じになる人もいます。 例えば、側弯症の人は矯正後の姿勢変化に順応できなくて、ふらふらする事があります。 いつもより身体が曲がって感じたり、重心がズレて感じるなどです。しかし、過去の姿勢はエネルギー効率が悪く、痛みを生じる原因なので、新たな正しい姿勢に順応しなければいけません。 そして、新たな身体の使い方に慣れ、筋肉の緊張状態を再学習していくのです。 …
逆もまた真なり
骨格ケアセンターの渡邊英司です。 一つの論理に対して逆の論理も成り立つ時に、逆もまた真なりという言葉を使いますが、施術も、論理と逆の論理が成り立つことがあります。 体の不調は弱い所に現れるので、原因が同じであっても、症状は違う箇所に出ることがあります。ストレスで胃が痛くなる人もいれば、円形脱毛という形で現れる人もいるようにです。 例えば、身体の力の抜けない人で、首に触れるとよけいに緊張してしまう人がいます。そういう人に通常のやり方は通用しません。 こういうタイプの人は、日常でのストレスを受け続けていたり、不調が頭から離れなくて重心が上がってしまうのです。通常は重心位置は変わらないとされていますが、考え事が多い人は頭皮も緊張して硬くなります。 頭が緊張すると重心線からズレやすくなるため、さらに筋緊張が高まるからと考えています。こういったケースは、重心を本来の位置に下げなければいけません。それには、上から下に意識を向ける調整テクニックが必要なのです。 …