骨格ケアセンターの渡邊英司です。
野球肘はジュニアの投手に多い肘痛です。この疼痛がジュニア選手に多いのは、成長期で関節軟骨や筋肉が出来上がっていない所に、投球動作で肘の内側側に強い牽引力が働くためです。
画像:親指側が内側
この疼痛が内側だけに起きるわけではなく、内側側副靭帯が損傷して弱くなると外側側に痛みが出る事もあります。
内側側副靭帯が損傷して弱くなると投球時の外反制御ができなくなり、画像の人差し指側の腕橈関節に過剰な圧迫が起こります。
腕橈関節には圧迫力の他に剪断力が加わるため、さらに負荷がかかるのです。
この負担が繰り返し動作で蓄積すると、腕橈関節軟骨に亀裂が生じたり剥がれることもあります。剥がれた遊離体(関節ねずみ)が軟骨を傷つけると変形の原因になります。
こういったスポーツ障害をかかえている子供達の中には、痛みが出たら休み、消えたら投げるを繰り返して、最終的にはリタイヤする事が少なくありません。それらを防ぐには、痛みが出た初期段階でフォームの修正することが重要なのです。これは野球肘に限った話ではありません。
例えば、陸上競技のやり投げや腕相撲なども野球肘と同様のメカニズムで肘痛が起こります。これらの疼痛が関与するのは前腕橈骨の回内運動、体幹の回旋動作、肩甲胸郭関節のアライメント修正と柔軟性を高める事で改善する事がありますので、症状を放置するのだけは注意したいところです。