足の左右の長さが違うと言われた経験がある方は多いのではないでしょうか。この脚長差には、大きく分けて構造的な原因と機能的な原因の2種類があります。
構造的な脚長差
構造的な脚長差は、骨の形成過程での損傷、外傷、または日常の立ち方や癖による内外反(足の変形)などが原因で生じます。簡易的な検査としては、仰向けに寝て膝を曲げた際に、膝の高さが異なる場合に構造的な問題と判断されることがあります。ただし、これはあくまで簡易的な検査であり、矯正によって膝の高さが揃うケースもあるため、絶対的な診断ではありません。
機能的な脚長差
機能的な脚長差は、骨盤の腸骨が前傾または後傾することで生じます。
- 後傾した側の脚は見た目上短く見えます。
- 前傾した側の脚は見た目上長く見えます。
この場合、後傾した側を前傾方向に、または前傾した側を後傾方向に矯正することで改善が期待できます。しかし、脚長差が生じてから時間が経っていると、筋肉に癖がついてしまい、矯正してもすぐに元に戻ってしまったり、矯正後に日常生活に戻ることで再び歪んでしまうこともあります。
また、足首の内外反による脚長差は、うつ伏せで足首のシワの入り方で確認できることもあります。
重要なポイント
最も重要なのは、構造的な脚長差と機能的な脚長差は異なるという点です。単に長さを揃えれば良いというわけではなく、骨格自体の問題なのか、それとも不良姿勢や筋肉の癖によるものなのかを正確に判断する必要があります。
多くの人が構造的な問題だからと諦めてしまいがちですが、体が歪むと関節の動きが悪くなり、衝撃吸収能力が低下することで、さらに体に負担がかかりやすくなります。
関節の動きを改善する重要性
動きの悪い関節に動きを与えてあげるだけでも、ズレて戻りにくかった関節が戻りやすくなったり、たとえズレが残っていたとしても痛みや違和感が和らぐことがあります。
これは、まるで錆びて動かないネジのようです。放置すればさらに動かなくなり、無理に動かせばネジ山が潰れてしまいます。しかし、そうなる前に緩めて油を差しておけば、その後のメンテナンスがしやすくなります。
人間の関節も同じで、時々動かしてあげるだけでも栄養供給が促され、まるで油を差したような良い状態を保つことができるのです。
ご自身の脚長差が気になる場合は、専門家にご相談いただくことをお勧めします。どのような原因で脚長差が生じているのかを把握し、適切なアプローチを見つけることが大切です。
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