骨格ケアセンターの渡邊英司です。 今回は、かなり重度の二次障害の症例です。 その症状とは、膝の曲げ伸ばしが出来ず、痛みで正座もしゃがむ事も不可能というものでした。 病院でMRIとレントゲンも撮り、その結果は、看側でないほうに変形性膝関節症が認められ、看側は異常なしとの事でした。 そのため、病院の診断は神経痛と言われたそうです。過去には腰痛があり、レントゲンでは、腰椎3、4、5番の変形が確認されているとの事でした。 しかし、今回は、腰痛は一切出ていませんでした。私が不思議に思ったのは、看側の脚は異常がないと言われている事です。 私の目には、両足とも変形しているようにみえた事です。 検査で異常がないという事なので、そのまま施術を続けましたが、首が異常に硬くて、腰仙関節に影響している事がわかりました。 首と腰には相関関係があるので、首の不具合が腰に出る事はよくある事です。 例えば、膝が悪ければ、連動する股関節という感じですが、首が下肢に大きな影響を与えているケースは始めてでした。 こういうケースは滅多にないですが、首が腰に、腰が股関節に影響して、股関節から膝にという事なのでしょう。 要するに、二次障害が連鎖した結果なのだと思います。 ここまで、連鎖する事があるという事です。 …
ルーズショルダー
骨格ケアセンターの渡邊英司です。 ルーズショルダーとは、肩関節障害の一つで、肩関節不安定症ともいわれています。 肩関節は球状の関節で、広い可動域を持っている反面、支持性に乏しい関節です。 例えば、野球の投球動作を繰り返す事で、徐々に肩が緩んでしまうといった後天的なもので発症したり、生まれつき不安定という人もいます。 肩関節が不安定な状態だと、スポーツ活動をする人には支障が出ます。 ルーズショルダーが習慣化されると、脱臼を繰り返す事があります。これは、軟部組織の損傷で引っ張りに耐える力が減少してしまうためです。 治療方法は原因が、関節、靭帯、筋肉で異なりますが、手術以外の保存療法を選択するのであれば、肩の負担を取り除くためにも、関節調整を試して下さい。 …
五十肩と間違えやすい腱板損傷
骨格ケアセンターの渡邊英司です。 五十肩と間違えやすい症状の一つに、腱板損傷があります。 腱板損傷とは、肩関節に関わる棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の4つで構成された回旋筋腱板が断裂した状態の事です。 症状が五十肩や肩関節周囲炎とよく似ているため、見分けがつきにくいのですが、腱板損傷は自力で腕を上げられなくても他動的には上がるといった特徴があります。 若い人がスポーツ活動中になった場合などは、断裂が大きい事が多く、外科手術というケースも少なくありません。 加齢や、使い過ぎで腱板の一部が断裂して穴が開いた状態の時は手術をしないで保存療法という事が多いようです。 腱板損傷は時間が経てば治るというものではないため、使わない事で棘下筋の筋委縮が起きたり、痛みを庇う事で二次障害に繋がる事があります。 その為、保存療法の目的は、それ以上の悪化を防ぐ事と、関節可動域が狭くならないようにする事になります。 …
胸郭出口症候群
骨格ケアセンターの渡邊英司です。 胸郭出口症候群とは、頚部から上肢までの、腕神経叢の障害です。 腕をあげる動作時に、上肢の痛みや手のしびれ、または握力低下や動かしにくさ他、前腕部の冷感症状が出る事もあります。 これらの症状が現れる人の特徴として、いかり肩や、なで肩などの姿勢が関係しています。 全く正反対の姿勢なのに、どうして同じ症状が現れるのかというと、いかり肩は、首や肩の筋緊張が亢進して斜角筋隙が狭くなる事で神経障害が起こります。 逆に、なで肩だと、鎖骨と肩甲骨が本来の位置より下がるので、腕神経叢に牽引力が加わるために神経障害が起こるのです。 胸郭出口症候群は、男性よりも女性が多く発症しますが、これは女性になで肩が多いためかも知れません。 どちらの姿勢か分かりにくい人は、それぞれの姿勢を強調させて判断するとよいでしょう。 症状に対するアプローチ法は、いかり肩の場合は、斜角筋や僧帽筋を緩めると腕神経叢の圧迫が緩和します。 なで肩の場合は、肩や鎖骨を本来の位置に戻すために、小胸筋の緊張緩和と、僧帽筋や菱頚筋群の筋力を高めるエクササイズを行う事です。 筋緊張や筋力低下が起きていて、筋力トレー二ングやストレッチを併用する場合は、先にストレッチ、次いで筋トレという順序で行います。 いずれにせよ、症状の放置期間が長ければ長いほど、筋委縮が進んで改善しにくい状態になりますので、早めのケアが大切です。 …
怪我が治っても消えない痛み
骨格ケアセンターの渡邊英司です。 骨折などの怪我をすると、暫くの間は、安静にしなければいけなかったり、ギブスで固定しなければいけなくなります。 怪我は時間で治りますが、怪我が治るまでの時間に、身体を動かせない状態が長く続くと、筋肉や関節に拘縮が起こります。 筋肉や関節は動かして使うものなので、これらが拘縮すると、他の運動器に負担がかかります。 病院で行うリハビリは、こういった拘縮を防いだり、回復させるために行われますが、リハビリが遅れると、筋や関節の拘縮が勝り、リハビリ効果が現れない事もあります。 本来であれば、怪我による腫れや炎症が収まった時点でリハビリを開始できれば良いのですが、多くの場合は、完治してから始める事が多いようです。 この間に起こる、筋肉や関節の拘縮が、怪我が治っても消えない痛みに繋がるのです。 リハビリ開始の時期は怪我の状態にもよるので、医師の判断に任せるしかありませんが、リハビリが遅れて痛みが消えない人は、関節の遊びを回復させる施術を試して下さい。他動的に関節の拘縮を取り除くので、きっと満足の行く結果が得られると思います。 …
首痛が原因の腰痛
骨格ケアセンターの渡邊英司です。 今日は、自分自身の事も含めてのお話しです。 私は若い時に、オートバイ事故で、重度のムチウチを経験しています。 その時の後遺症が歳と共に、頻繁に現れるようになってきました。 そして、数年前に腰痛を発症しました。不思議な事に、自分の不調に対しては何もしようとしなかったのです。 そして、ある時、腰痛で来られた方がいました。 検査をすると、腰仙関節の引っかかりがありました。 普段から、横座りをするとの事だったので、それが原因と思いましたが、上部頚椎の調整後に、腰仙関節の引っ掛かりがとれたのです。 自分もそうかと思い、検査をすると、腰仙関節の引っかかりが起きていました。 首と腰は相関する事は知っていても、腰仙関節のズレが、首の調整で改善する事は、初めての発見でした。 腰仙関節のズレがある数人に試したところ、首に不調のない人には殆ど当てはまりませんでした。 私の考えでは、首が原因の腰仙関節のズレであれば、首の調整で改善し、首に問題がなければ、腰仙関節を動かさなければいけないという事です。 それを知るには、一部位ではなく、全体を見なければいけない事を、あらためて感じました。 …
怪我の新常識
骨格ケアセンターの渡邊英司です。 怪我をすれば、冷却、固定、安静、挙上。 これが、処置の基本でした。 ところが、ここ数年の間に、その常識が覆されました。 今は、発症直後の処置は同じですが、三日程で炎症がおさまっていれば、冷湿布から温湿布に変えるところもあります。 また、怪我が治るまでの安静は筋力低下をまねき、かえって悪化させてしまう事のが多い事もわかったようです。 怪我をしている箇所の動かし過ぎはよくありませんが、患部以外は固まらないようにする事が重要なのです。怪我が治っても消えない痛み。今からでも遅くはありません。 関節機能を回復させてみませんか。 …
関節の栄養供給と運動リズム
骨格ケアセンターの渡邊英司です。 当センターの整体は、全身の運動リズムを回復させる目的の施術を行っています。 運動リズムというと、肩甲上腕リズムや、骨盤大腿リズムが知られていますが、どの部位も単体で動く事はありません。 どこかを動かせば、必ず関連部位が連動して動きます。 例えば、1~5まで連動して動かすとします。途中の3が動かなければ、3の動きを代償して他が大きく動くしかありません。 これを、関節に言い換えると、動かない関節をそのままにしていると、他の関節にいつまでも負担がかかる事になります。 また、関節軟骨には血管がないため、栄養補給は、滑膜から分泌される渇液が栄養供給をしています。 見方を換えると、栄養供給を促すために、関節の弾力回復が必要なのです。 まとめ ①関節の栄養促進効果 ②骨格の歪みの改善 ③痛みや違和感の解消効果 ④柔軟性や筋力回復 …
五十肩でみるべき箇所は
久しぶりの記事になりますが、今回は四十肩や五十肩など、肩の障害で、腕が上がらない時にみるべき箇所です。 これは、セミナーに来られている施術家向けの記事で、応用コースの方に教えている内容です。 肩の障害がある人は、必ずと言っていいほど首がよくないです。 特に上部頚椎が詰まった状態になります。 後頭骨下部には筋紡錘、腱紡錘がたばになっているので、これらが伸張反射に関係して筋緊張を高めます。 そのため、上部頚椎の拘縮を取り除くと、緊張が緩み関節可動域が広がります。 ここまでは、他にも考えている人はいると思います。 しかし、考える事は出来ても、その方法が難しいわけです。 今回あみだした方法は、ここでは言えませんが、かなりの改善効果が期待できる手技だと思います。肩の障害で悩んでいる方には朗報となる手技になると思っています。 …
30代からの健康管理
骨格ケアセンターの渡邊英司です。 病気や怪我で、安静期間が続くと、筋力低下や筋委縮が起こります。また、身体を動かさないでいると、脳の働きが低下して気力が失せたり、関節の拘縮も起こります。 病気や怪我の治療には、急性期、回復期、維持期があり、リハビリが必要な人は回復期に始めますが、その間にも、体の機能低下は進んでいくため、リハビリ開始が遅れれば遅れるほど回復が困難になります。 1週間の安静で20%程の筋力低下が起きるのに対して、筋の回復は倍以上の時間がかかります。 これは、リハビリを例に挙げていますが、怪我や病気でなくても、身体を動かさない方に当てはまる事なのです。 例えば、腰痛予防に腹筋や背筋が良いのは、鍛える事で、筋肉をコルセット代わりにするためです。早い人は20代で衰えを感じる事があります。30代、40代となれば、さらに身体を使わなくなります。 そういう方に、筋トレを勧めても無理と言われそうですが、後々後悔したくない人は、今から軽い運動でも良いので始めて下さい。 最初は面倒に感じても、最初の1か月を頑張れば筋肉や神経の働きが促通されます。 目に見える効果が感じられなくても、3か月後には細胞が太くなり、筋力が付いた事が感じられます。 動ける身体になれば、行動の自由度が広がります。 今はなくても、やりたい事が見つかった日のために、チャレンジ出来る身体が維持できるのです! …