骨格ケアセンターの渡邊英司です。
慢性的な障害でスポーツを断念した人が、もう一度やりたくなった時に復帰できるかをテーマにしました。
スポーツ選手がリタイヤする原因と言えばスポーツ障害です。スポーツ障害の原因は使い過ぎなので練習量の多い人や、筋肉や骨格の未発達なジュニア選手の発症リスクが高くなります。
しかし、過去の症例をみると使い過ぎだけが原因とはいえない機能障害が起きている人を数多くみてきました。
動きの要となる関節は単独では動かず常に連動しています。正しく連動していれば一部位にかかる負担は少なくて済みますが、関節の構造に逆らう動きをしていると、よく使う関節とあまり使わない関節とで使用頻度に差が生じます。
これを金属に例えると、動きの悪い箇所は錆びつき、動き過ぎる箇所は金属疲労でグラグラになり最後は折れてしまうのと同じ状態なのです。
スポーツ障害はこういった、アンバランスによる一部位の使い過ぎでなる事が多く、運動量が多いだけの使い過ぎではない事のが多いのです。しかし、その原因は錆びついた関節で患部ではありません。但し、患部に負担がかかり続ければ、悪化して本当に患部の疾患になってしまいます。
一般的なスポーツ復帰は、怪我の治癒後の患部の柔軟性や筋力を回復が目的に行われますが、それだと障害を発症した原因である機能障害が取り除けていないので、患部が回復しても負担は消えないため再発を繰り返すだけです。
完全なる復帰を目指すには、患部の回復はもちろん、障害発症の原因となった機能障害を取り除き、さらには機能障害の原因となった身体の癖を正す事です。
身体の癖は本人も知らずにやってしまう動作ですが、大半は頭で思っているイメージや得意動作です。また、動きの基本となる六通りの動作(前後屈、左右側屈、左右回旋)のうち不得意な動作は機能低下や歪みという形になって現れます。それらは練習方法を変えるヒントでもあり運動能力を高める方法にもなります。そして、それを今までやったこなかった事にも気づくはずです。