骨盤矯正という言葉は、今でこそ広く知れわたっていますが、詳しく理解している人はどれくらいいるでしょうか? 骨盤は体の土台です! 土台の歪みは体全体に影響するのですが、骨盤矯正という名前が出た当初は、骨盤は動かないとされていた時期だったため、動かないものは歪まないという意見も少なくありませんでした。 ところが、今は、骨盤(仙腸関節)には、2~3ミリの動きがある事がわかってきました。 たかが、2~3ミリと思われるかも知れませんが、骨盤から手足の末端まで連動すると大きな動きになります。逆に考えると、あまり動かないから箇所だけに硬くなりやすい部位なのです。 例えば、スポーツで重要な腰の回転とは、実際に腰を捻るのではなく、股関節を上手く使う事で腰が回転して見えるだけです。その股関節は骨盤の仙腸関節と連動するため、僅か2~3ミリの動きで、動きの自由度が変わるのです。 野球のバッティングやゴルフクラブを振る動きをイメージするとわかりますが、骨盤を固定したら、思うように動けなくなります。また、仙腸関節は、肩甲骨や腰仙関節と連動するため、歪みの影響で軌道に影響が出たり、他の関節に無理な力が加わり、怪我の原因にも繋がります。 ぎっくり腰の大半が、この仙腸関節周囲で起こるのも、骨盤の影響が少なからずはあるからなのです。 仙腸関節が歪むと骨盤が傾きます。前に傾けば、腰が反り、後に傾くと腰猫背になります。また、左右が非対称に傾くと、脚長差が生じるのです。 整形外科的には、脚長差が3センチ程なら、正常範囲となる事を、書籍で読んだ事がありますが、それには、先天的な脚長差や後天的な事故などで変形して戻らない人などが含まれるからかも知れません。 普段の日常生活で生じる、機能的な歪みは、脚長差が1.5センチ程が許容範囲で、2センチを超えると、何かしらの不調が現れたりします。 それら不調の予防改善のために行なうのが骨盤矯正です。 …
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脚長差が揃えば良いわけではない
骨格ケアセンターの渡邊英司です。 腰痛の原因の一つとして脚長差があります。 ※画像は左足が右足より長い これは、実際の長さの違いではなく、見た目上の違いです。脚長差の違いには、先天的なものと機能的な歪みによって起きるものがあります。 脚長差の調整で注意すべきは、先天的なものを無理に揃えようとしないで、機能的なズレだけを整える事です。 構造的なズレを無理やり揃えればバランスを崩すだけです。しかし、先天的な不揃いにも、機能的な歪みは起こります。 例えば、先天的に片足が3cm長いところに、機能的な歪みが加われば、さらに左右差が大きくなります。私が調整した事のある脚長差の最大は5cmがありました。 どこに行っても、生まれつきで直らないと言われていたそうですが、施術で左右差が2cmまで揃いました。 この事から、機能的な歪みは3cmあったと推測できます。 医学的には、3cmの脚長差は問題なしとされる文献を読んだ事があります。 これは、先天的なものを含めての事だと思いますが、機能的な歪みが1.5cm以上あると不調に繋がる事が多いようです。 主な症状は、腰痛、股関節痛、膝痛です。 腰痛の原因の一つとして、骨盤変位による腰仙関節のズレがあります。また、骨盤が変位すれば、股関節骨頭の被りが変わるので、股関節痛になったり、股関節と連動する膝痛もなる事もあります。 これらは、患部を見てもわかりませんが、どこに連動しているかと相関関係さえわかれば、負担のかかる箇所が想定出来ます。 原因の特定できない、股関節痛や膝痛が出ている時は、歪みを疑って下さい。 …
股関節痛の原因となる骨盤の歪み
骨格ケアセンターの渡邊英司です。 股関節痛が出る方の多くは、腰や膝の痛みを抱えている事があります。 これは、股関節が骨盤や膝と連動しているからです。 骨盤の上には腰椎があり、骨盤の下に股関節、股間節の下に膝関節があるため、そのいずれかに動作不全が起こると、連動する部位に負担がかかるためです。 例えば、骨盤が前傾すると、腰椎の弯曲が強くなり、股関節は屈曲拘縮が起こりやすくなります。 股関節の屈曲拘縮で動作制限が起こると、上体を起こす時に腰が反ってしまいます。 その結果、反り腰による腰痛を発症しやすくなるのです。 また、骨盤が後傾した場合は、股間節前方の被りが浅くなり、股関節前面の負担が増えてしまいます。これは関節の摩耗を早めて変形に繋がる事もあります。 骨盤の歪みは前傾や後傾といった左右同方向に歪むだけでなく、左右が逆に歪むと脚長差の違いで現れる事もあります。 これらの歪みは、個々の身体の使い方のクセで歪むので、自然によくなる事はありません。 長期的には、関節の片減りや変形に繋がる事もあるので、早めに対処する事をお勧めします。 …
機能的な脚長差と構造的な脚長差の違い
骨格ケアセンターの渡邊英司です。 骨格や骨盤の矯正をした事のある人なら、左右の足の長さが違うと言われた人は少なくないでしょう。 左右の脚の長さの違いの原因には、構造的なものと、機能的なものがあります。 構造的な問題で脚長差が生じているケースには、骨形成時に生じた損傷や外傷性の損傷、あるいは立ち方や日常での癖による内外半などがあります。 構造的な脚長差の簡易検査は、ベッドに背臥位(仰向け)になって、膝を曲げて高さを見る方法があります。 この時に、膝の高さが違うと、構造的なものと判断されますが、あくまでも簡易検査なので絶対ではありません。 なぜなら、膝の高さが矯正後に揃う事があるからです。 次に、機能的な脚長差とは、腸骨の前傾や後傾で生じます。 後傾した側の脚は、見た目上で短くなり、前傾した側の脚は、見た目上で長くなります。 この場合、後傾した側を前傾方向に矯正するか、前傾した側を後傾側に矯正するのですが、脚長差が生じてから、何日も経過している場合だと、筋肉に癖がついてしまうので、すぐに戻ってしまったり、矯正後に、いつもの生活に戻った事で、新たに歪んでしまう事もあります。 また、足首の内外半での脚長差があるかの検査は、腹臥位で足首のしわで見る事も出来ます。 ここで気を付けなければいけないのは、構造的な脚長差と、機能的な脚長差は異なるという事です。 何でも揃えればよいのではなく、構造上の問題でズレているのか、不良姿勢や筋肉などの癖でズレているかを判断しなければいけません。 しかし、構造的な問題でズレている人の多くは、構造的な問題だからと諦めている人も大勢いるのです。 体が歪めば、関節は遊びがなくなるために、弾力不足になります。 衝撃吸収能力が減少するから、体に負担がかかり、歪みやすくなるのです。 しかし、動きの悪い関節に動きを付けてあげるだけで、ズレて戻らない関節が戻りやすくなり、ズレていても痛みや違和感が緩和するのです。 例えば、ネジをイメージしてみて下さい。 錆びて動かないネジを放置しておけば、さらに動かなくなり、無理に動かせばなめてしまいます。 しかし、そこまで行く前に緩めて、油を指しておけば、その後はメンテナンスがしやすくなります。 人の関節も同じです。時々、動かしてあげるだけでも、栄養供給が促されて、油をさした状態が保たれるのです。 …
仙腸関節炎
骨格ケアセンターの渡邊英司です。 仙腸関節は、仙骨と腸骨を結合する関節です。 一般的には、骨盤にある関節と言った方がわかりやすいかも知れません。 骨盤は大きな関節なので歪まないと言われてますが、実際には僅かですが、回旋というズレが生じます。 例えば、脚組をする人だと、上に乗せる側の腸骨が後方に歪みやすくなります。 後方にズレた側の足は、見た目上で短くなります。 脚長差が3cmまでのズレは問題ないと書籍で読みましたが、脚長差が生じると、歩行時の足部の着地点が変わったり、立位での重心のかかり方にも影響するので、体全体が歪みやすくなります。 仙腸関節のズレを放置していると、炎症による腰痛が出る事もあります。 その他に、強直性脊椎炎という原因不明の病気で、仙腸関節炎になる事もありますが、こういった特殊な例を除くと、大半は仙腸関節の遊びが回復すれば解消します。 実際に、仙腸関節の痛みで来られた方で、軸足側の関節と周辺組織が硬くなりすぎて、反対側の関節が緩んでズレてしまうケースがありました。 こういったケースだと、歪んだ箇所だけ整えても、すぐに歪んでしまいます。また、仙腸関節の不具合が、仙腸関節だけでおさまってはいないので、どんな症状でも全身の調整が必要なのです。 …