中年期に訪れる“肩の激痛”といえば、四十肩・五十肩。
呼び方は違っても中身は同じ、正式名称は 肩関節周囲炎 だ。
特徴的なのは、夜に襲ってくる鋭い痛み。
寝返りすらできないほど肩がズキッと痛む——そんな経験をしたら要注意だ。
原因は、肩関節まわりの軟骨・靱帯・腱の老化にともなう炎症。
発症してから自然に治るまで、早くても3ヶ月〜1年。
長い人では2年以上続くこともある。
もし1年以上痛みが続くなら、
・腱板損傷
・石灰沈着性腱板炎
・新生血管の影響
といった“別の肩トラブル”の可能性があるため、検査を受けるほうが確実だ。
五十肩にはもうひとつ忘れてはいけない側面がある。
治った後でも、半数以上の人が「以前ほど腕が上がらなくなる」 という後遺症だ。
別名“フローズンショルダー(凍結肩)”。
その名の通り、関節が固まった状態になりやすい。
肩は、腕の上がる120度と肩甲骨の60度が連動して、180度まで上がる仕組み。
後遺症で肩甲骨が動かないと、腕を上げるために腰を反らしてしまい、
結果的に 反り腰・腰痛 の引き金になる。
さらに肩甲骨の裏には胸椎と肋骨がある。
肩が動かない → 胸椎が固まる → 肋骨の間隔が狭くなる → もっと肩が上がらない
という悪循環に。
胸椎が硬くなると、呼吸のときに肺が十分に膨らまず、
息苦しさや肋間神経痛の原因にもつながる。
改善のポイントは、
胸肋関節・肋間筋を緩めて、胸椎の動きを回復させること。
軽度なら、
ミゾオチに指を軽く当て、その上部(胸椎)を
左右側屈・前後屈・左右回旋で動かすストレッチが効果的。
固まった胸椎が動くと、肩の可動域は驚くほど回復する。








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