膝痛、腰痛、眼精疲労、肩こり、手足のしびれ、冷え、ぽっこりお腹、便秘、五十肩──
一見すると無関係に見えるこれらの不調。
実はすべてに共通するキーワードがある。
それが 「体の歪み」 だ。
体の歪みは、特別な人だけに起こるものではない。
誰にでも起こる。
ただし厄介なのは、自分では どう歪んでいるのか分からない という点だ。
なぜ気づけないのか。
理由はシンプルで、歪みは一気に起こるものではなく、少しずつ進行する から。
しかも人の体は順応性が高く、歪んだ状態に“慣れてしまう”。
これが、慢性不調の始まりだ。
座り仕事が生む「静かな歪み」
事務仕事などで長時間座り続けると、下半身はほとんど動かない。
股関節と膝は屈曲したまま固定され、この姿勢が続くと 屈曲拘縮 が起こる。
その状態で立ち上がると、
伸びなくなった股関節や膝をかばうように、腰が反る。
これが腰痛の引き金となり、
さらに股関節痛や膝痛のリスクを高めていく。
加えて、座り姿勢は背中が丸まりやすく、
顎が前に突き出た姿勢になりやすい。
首の付け根(胸椎)が硬くなり、首への負担が増加。
結果として、首こり・肩こり・巻き肩・ぽっこりお腹と、不調が連鎖していく。
これはもはや「姿勢のクセ」ではなく、職業病 と言っていい。
立ち仕事が生む「左右差の歪み」
一方、立ち仕事で多いのが、無意識に片足へ体重をかけるクセ。
この状態が続くと、体重を乗せている側の 仙腸関節が硬くなり、
左右バランスが崩れる。
その結果、脚長差や仙腸関節障害、腰痛が起こりやすくなる。
では、両足に均等に体重をかければいいのかというと、答えはNO。
重要なのは「左右」ではなく、
同じ姿勢を続けないこと=動かしていること だ。
動く人にも歪みは起こる
では、よく動く人は歪まないのか。
そんなことはない。
スポーツをする人には、職業病の代わりに スポーツ障害 が待っている。
たとえばゴルフ。
前傾姿勢で肩は内巻きになり、胸椎と肩関節に負担がかかる。関連して肘や手首に障害が出やすい。
体を支えるために膝と大腿筋が酷使され、
スイング動作では股関節と腰にも負荷が集中する。
結果として、
肩・肘・腰・股関節・膝に障害が起こりやすくなる。
日常姿勢による歪みと、スポーツ動作による歪み。
この違いは、
「動かさな過ぎ」か「動かし過ぎ」かの違い にすぎない。
結局、歪みは誰にでも起こる。
だからこそ重要なのは、
自分の歪みを知り、定期的にリセットすること なのだ。








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