成長期の投手に多い「野球肘」。
投げるたびに肘がズキッと痛む。
これ、ただの疲労じゃない。
成長期の子どもは、関節軟骨や筋肉がまだ発達途中。
その状態で、全力投球を繰り返せば、肘の内側には強い牽引力がかかり、靭帯や軟骨を傷めてしまう。
これが、いわゆる「野球肘」だ。
だが、痛みの出る場所は肘の内側だけとは限らない。
内側の靭帯が弱くなれば、外側の関節(腕橈関節)に負担がかかり、
圧迫や剪断(ねじれ)によって軟骨が損傷する。
その結果、関節内に“ねずみ(遊離体)”が発生し、軟骨を傷つけることで、将来的に変形へと進行していく。
痛みを「我慢」しても、いいことは一つもない。
多くのジュニア選手が、痛みを感じても「少し休めば大丈夫」と思ってしまう。それは親もしかり。
でも、フォームが悪いまま再開すれば、同じことを繰り返すだけ。
やがては悪化し、競技を諦めざるを得ないケースも少なくない。
真の原因は、肘ではなく「肩甲骨」と「体幹の回旋」。
野球肘の根本には、前腕の回内動作や体幹の回旋が関係している。
つまり、肘の痛みは“結果”であって、“原因”ではない。
今すぐやるべきことは、肩甲胸郭関節のアライメント(位置関係)の修正と、回旋動作に重要な、胸椎、仙腸関節、股関節の動きだ。
肩甲骨が正しく動くようになれば、投球フォームで肩の負担が軽減し、
肘へのストレスはぐっと減る。
回旋動作を正常にすれば、腕や肩だけに頼ることなく、ボールは飛ぶようになる。
放置だけは絶対にNGだ。
🔹まとめ
- 成長期の投手に多い「野球肘」は、肘だけが原因ではない。
- 肩甲骨や体幹の動きが悪いと、肘に過剰な負担がかかる。
- 腕や肩だけで投げず、背骨と骨盤を回旋させる動きを身につける。
- 痛みが出たら、まずフォームと姿勢の見直しを。
- 早期にアライメントを整えれば、競技復帰は早くなる。
 
 








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