「体の歪みなんて私には関係ない」と思っている方もいるかもしれませんが、体は誰もが例外なく歪んでしまうものです。今回は、体が歪む理由と、歪みが体にどのような影響を与えるのかを詳しく見ていきましょう。
体の歪みは服の上からは分かりづらく、多くの方はご自身の体の状態に気づいていません。骨格の形状は遺伝的な要素もあるため、元々不調が出やすい体質の方もいらっしゃいます。
体の歪みが引き起こす影響
遺伝による体型以外で、体の歪みによって現れる具体的な影響は以下の通りです。
- 外見の変化: 猫背、巻肩、肩の高さの左右差、ベルト位置の左右差、顔の歪み、O脚、X脚、お尻やバストの垂れなど。
- 身体の不調: 腰痛、肩や首のこり、膝の痛みなどの痛みや違和感。
これらの歪みを放置すると、関節の片減りが進み、最終的に変形につながる可能性が高まります。
なぜ体は歪むのか?
そもそも、どうして体は歪んでしまうのでしょうか。人は生まれながらに利き手足が決まっており、成長過程で得意な動きと不得意な動きがはっきりしてきます。これは身体の機能分化であり、異常ではありません。しかし、筋肉の先端が腱で骨に付着しているため、得意不得意の動きによって筋力に左右差が生じます。この強い筋肉に引っ張られることで、関節のズレや捻じれが生じてしまうのです。
人が活動する限り、ある程度の歪みは避けられないものですが、激しいスポーツをする方や、同じ動作を繰り返す職種の方は、筋肉のアンバランスにより特に歪みやすくなります。では、筋肉が少ない人は歪まないかというと、そうではありません。筋力が弱い人は関節を支える力も弱いため、かえって関節がズレやすくなるのです。
「風邪は万病の元」と言われるように、体の歪みもまた、さまざまな疾患の原因となる可能性があります。
歪みがもたらす深刻な問題
関節は連動して動くため、一つでも動きの悪い箇所があると、動作に制限が出たり、特定の部位に過度な負担がかかるようになります。また、関節がズレると、骨と骨をつなぐ靭帯が引き伸ばされて痛みが生じます。さらに、関節周囲の組織もダメージを受け続け、完全に破壊されてしまうと、外科手術が必要になるケースもあります。
歪みと施術について
当院では、一般的な骨格矯正で見られるような「骨をボキッと鳴らす」施術ではなく、全身200個の関節を丁寧に調整することで、全身の歪みを整えていきます。
関節は連動して動くため、わずか一箇所でも動きの悪い部分があると、スムーズな動きができなくなります。すると、動かない関節をカバーするために、正常な他の関節が過剰に動いて補助するようになります。これは一時的には便利な機能ですが、長期にわたると、カバーした動きに合わせて体が歪んでしまい、それを脳が「正常な状態」と認識してしまうのです。
要するに、長期間にわたる歪みや体の異変に気づきにくくなり、慢性痛や軟骨の変形につながりやすくなるのです。また、歪みを整えてもすぐに元に戻ってしまう方がいますが、これは、悪い状態を正常と記憶した脳が、正しい姿勢を「違和感」と認識し、元の悪い状態に戻そうとするためです。
この「戻り」をなくすためには、複数回の施術によって脳が感じる「違和感」を取り除くしかありません。そうすることで、徐々に脳が正しい姿勢を認識し、歪みにくい骨格へと変化していくのです。