人が活動している限りは、骨格は誰でも歪みます。その中でも、体の土台となる骨盤の歪みは全身に影響して、様々な不調を作り出します。

骨盤単体での歪みは、画像の赤丸で囲んだところ(仙腸関節)に出ます。

一昔前までは、仙腸関節は硬くて歪まないとされてましたが、僅かな動きがあるため、ズレが生じて、連動する他の骨格を歪ませてしまいます。

仙腸関節は、回旋を伴う動きをするため、前傾、後傾といった歪みが出やすく、骨盤が開いた歪みと思われているのは、股関節が内旋して、大転子が外側に張り出した状態が、見た目上の骨盤の開きと言う事があります。

特に、女性は、内股やペシャンコ座りが、歪みの原因になるので、日常姿勢を見直すと良いでしょう。

骨盤が前傾して歪むと、腰椎の前弯が強くなり、反り腰腰痛の原因になります。骨盤の前傾を改善する事で、背骨が正しい弯曲に戻りやすくなります。

前傾とは相対的に骨盤が後傾する歪みは高齢者や椅子に浅く腰掛ける姿勢の人に多い歪み方です。骨盤が後傾すると、股関節の被りが浅くなり、体重で股関節前面の負担が増加します。

骨盤の歪みは左右対称に出るとは限りません。左右の腸骨が互い違いに歪めば脚長差が出ます。これは、脚組をする人に多い歪み方で、上に組んだ側の腸骨が後傾します。

脚長差が2センチを超えると、何かしらの症状が出やすくなりますが、先天的に長さの違う人もいれば、事故などで脚長差が生じる事もあるので、必ずしも脚の長さが揃っていなければいけないわけではありません。

次に、骨盤が動作に与える影響ですが、私的には、これが1番重要だと思っています。

体の動作方向を、おおまかに分けると6通りあります。それらが複合的に合わさり、自由な動きが可能になります。これは、関節単体にも言える事ですが、どこか1つでも動きが悪くなると、他に影響が出ます。

例えば、動作検査をすると、骨盤が動かない人がいるのですが、この時点で、仙腸関節の動きが悪い事が見えてきます。

人の体は、背骨を軸に体格螺旋に動きます。

回旋動作は主に胸椎と股関節が行うので、仙腸関節が動かないと、連動する股関節の自由度がなくなります。

その結果、運動パフォーマンスが低下したり、不調に繋がるのです。

これを、改善するための、自宅で出来る簡単な体操を教えます。体操を行う前には、体操前後の関節の動きを比較するための検査を行って下さい。

最初に、仰向けに寝て、肘を曲げずに足を片方ずつ上げます。自然に上がる位置を確認するだけなので、無理やり上げないで下さい。

検査が終わったら、立位で両手を前に伸ばして、手のひらに膝を交互に、10回当てるようにします。次に両手の幅を広げたり、狭くしたりして、膝当てをします。各10回くらいから始めて、慣れてきたら回数を増やすようにします。

最後は、最初にやった仰向けで足を上げてみます。

効果が出ていれぼ、最初より、軽く足が上がるはずです。

関節が固まる前段階であれば、これくらいの体操でも十分な効果が期待出来ますが、あまり変わらない場合は、しっかりとプロの矯正を受けて下さい。