台風15号の爪痕と、体が訴える“もう限界”のサイン。
台風15号が過ぎ去り、千葉県を中心に深刻な爪痕を残した。
停電、断水、熱中症、そして今もなお復旧が進まない地域もある。
当院も例外ではなく、大きな被害を受け、修理の目途が立たないまま。
それでも、停電復旧と同時に施術を再開した。
なぜなら、被災地域の方々が、疲れ切った体を引きずって来院してくださったからだ。
ストレスは“目に見えない筋肉の緊張”を生む。
災害時の大きな特徴として、「心の緊張が体を固める」という現象がある。
これは東日本大震災のときにも同様に見られた。
気が張りつめた状態が続くと、自律神経が交感神経優位となり、
常に“戦うモード”のまま筋肉が緊張しっぱなしになる。
その結果、首や肩の過緊張、頭痛、不眠、めまいなどの不調が現れる。
今回の台風では、酷暑の中、車中泊や不自然な姿勢で過ごした方も多く、
首肩だけでなく、坐骨神経痛を訴える人が目立った。
坐骨神経痛の裏にある「梨状筋症候群」。
長時間の車内生活や、椅子の上での不安定な姿勢は、
お尻の奥にある「梨状筋(りじょうきん)」を硬くしてしまう。
この筋肉が坐骨神経を圧迫すると、
足のしびれや痛みが現れる ― これが梨状筋症候群だ。
首の過緊張が続くと、背骨の内部を通る硬膜(神経を包む膜)にも影響し、
その緊張が腰や坐骨神経まで波及することもある。
つまり、「首が硬い」と「足がしびれる」は、
一見無関係に見えて実は“つながっている”のだ。
予防とケアのポイント。
梨状筋症候群や坐骨神経痛を予防するには、
ストレッチや軽いスクワットなど、
下半身をリラックスさせる動きが効果的。
腰痛を伴う場合は、腰椎のトラブルも疑われるため、
無理をせず専門家に相談してほしい。
身体はストレスや姿勢に正直だ。
痛みや不調は「頑張りすぎたサイン」。
復旧作業と同じように、体のリカバリーにも時間をかけてほしい。








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