「骨盤が歪むと体に悪い」とはよく聞くが、
実際のところ、どんな影響があるのか?
しかも、一昔前までは“骨盤は動かない”と考えられていたという。
今回は、最新の体のメカニズムを踏まえて、
骨盤の歪みが引き起こす不調と、その理由を解説していこう。
骨盤は“動く”関節だった
骨盤は、仙骨と腸骨をつなぐ仙腸関節によって構成されている。
この関節、実は2〜5ミリ程度動くことが確認されている。
「たったそれだけ?」と思うかもしれないが、
このわずかな動きが、手足の連動や姿勢維持にとって非常に重要なのだ。
しかし、可動域の狭い関節ほど硬くなりやすい。
骨盤が硬くなると、
・代謝が落ちて脂肪がつきやすい
・動作時のバランスが崩れる
・連動する部位(腰・股関節・背中)に負担が集中する
といった不調の引き金になる。
ぎっくり腰も骨盤が関係?
急に動けなくなる「ぎっくり腰」。
その多くは、全身疲労で硬くなった、筋膜の損傷が多いとされているが、
原因のひとつには、特に硬くなりやすい「仙腸関節の動きの悪さ」にあると考えられる。
股関節(よく動く関節)と仙腸関節(動きの少ない関節)は隣り合っている。
もし仙腸関節が硬いと、動作のたびに周囲の筋膜が引っ張られ、
結果的に、ぎっくり腰を引き起こすと考えている。
骨盤の歪みが姿勢を崩すメカニズム
仙腸関節の歪みは、主に回旋のズレとして現れる。
- 前に傾けば → 反り腰
- 後ろに傾けば → 腰猫背
- 左右差が出れば → 脚長差
これらのズレが積み重なると、体のバランスが崩れ、
首や肩こり、腰痛、冷え、むくみといった不調に広がっていく。
歪んだまま固まってしまうと、
自然には戻らず、慢性化するケースも多い。
骨盤矯正=動きを取り戻す施術
「骨盤矯正」というと、産後のケアをイメージする人が多い。
確かに、産後はホルモンの影響で骨盤がゆるみやすく、歪みも出やすい。
だが、骨盤の歪みは誰にでも起こるもの。
骨盤矯正は、ズレを無理に“戻す”のではなく、
硬くなった関節に適度な動きを取り戻すことが目的だ。
動きが出ることで、体全体の連動性も改善し、
不調の再発予防にもつながる。
骨盤を整えるとどう変わるか
・姿勢が安定して背筋が伸びる
・腰や肩への負担が軽減
・下半身のむくみ・冷えが改善
・動作がスムーズになり疲れにくい
「体の歪みを整える」とは、
つまり“骨盤から動きを取り戻す”ことだ。
まとめ
骨盤の歪みは、体のバランスを崩す“始まりのサイン”。
見た目の姿勢だけでなく、
疲労や冷え、痛みといった不調の原因にもなる。
放っておかずに、
まずは体の土台=骨盤を整えること。そして、土台が崩れないように、足元の基礎固めも忘れないこと。








コメント