O脚──それは、単なる“脚の形の問題”ではない。
両膝の間に指が2本以上入るようなO脚は、膝が内側へ傾き、関節の内側が圧迫されている状態。外側の靭帯や筋肉は常に引っ張られ、ちょっとした歩行や階段でも膝へ余計なストレスがかかる。
原因の多くは、長年の生活習慣。片足重心、内股立ち、外側に偏った筋肉の使い方──。それらが積み重なることで、膝のラインは少しずつズレていく。中には、片足だけO脚というケースも珍しくない。
スポーツをする人に多いのが、外側の筋力が内側より強くなりすぎているタイプ。このバランスの崩れは、膝の安定性を失わせ、結果的に痛みへと繋がる。また、若い女性に多い“内股立ち”も、将来的にO脚を進行させる要因の一つ。
膝関節は体重を支える要の関節。矯正しても、すぐに戻ることが多いのはそのためだ。だからこそ、正しい歩行と靴の中敷きなどで日常から整えることが重要。
重度の場合は「高位脛骨骨切術」という外科的手術が行われることもあるが、多くのケースでは、骨格矯正によって“ズレ”を減らし、膝の動きがスムーズになることが期待できる。
膝は小さなズレが全身に波及する。O脚をただの“見た目”で終わらせるか、“身体から整えるべきサイン”と捉えるかで、未来の膝は変わる。
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