変形性膝関節症――それは「タイヤの片減り」と同じ現象
変形性膝関節症は、高齢者に多い膝関節の疾患だ。
だが、実は若い人でもO脚やX脚などの歪みがあれば、すでに“予備軍”と言える。
原因の多くは、骨格の歪みによって膝軟骨が片減りすること。
つまり、膝自体よりも“土台”である身体のバランスが崩れているのだ。
自動車のタイヤを思い浮かべてほしい。
片側だけが減ったタイヤでは、まっすぐ走ることができない。
身体も同じで、軟骨が片減りすれば膝だけでなく、
股関節や腰、足首などにも影響が波及していく。
軟骨には痛覚がない。だから「気づいたときには進行している」
厄介なのは、軟骨には痛みを感じる神経がないという点だ。
摩耗している間は自覚がなく、痛みを感じたときにはすでに進行しているケースが多い。
痛みが出るのは、軟骨がすり減って骨同士がたわみ、
その周囲の筋肉や靭帯、関節包などがダメージを受けたときだ。
「膝の痛み=膝が原因」とは限らない
膝の痛みを訴える人の多くは、膝だけに問題があると思いがちだ。
しかし、実際には骨盤や股関節の歪みが発端になっているケースが少なくない。
骨格が歪むと、膝への荷重が偏り、結果的に片減りが進行する。
つまり、膝の痛みは“結果”であり、“原因”はもっと上流にあるのだ。
軟骨は再生しない。だから「予防」が最重要
変形してしまった軟骨は、残念ながらタイヤのように、簡単に交換できない。
「歪みを整えれば元に戻る」と誤解されることもあるが、
一度すり減った軟骨は再生しない。
だからこそ、進行する前に歪みを整えることが何より大切だ。
軽度の歪みなら改善できても、長期間放置すれば、
関節が強直し、変形が進み、完全な回復が難しくなる。
膝の痛みが出るまでには“時間”がかかる
足をぶつけたときの痛みは一瞬で現れる。
だが、姿勢の崩れや筋緊張、筋膜のねじれなどによる膝痛は、
数年という時間をかけてじわじわ現れてくる。
つまり、今の痛みは“過去の積み重ね”の結果だ。
小さな違和感を放置せず、早期のケアを行うことで、
未来の膝を守ることができる。
まとめ:歪みを整えることが、最高の膝予防
- 膝軟骨の片減りは、骨格の歪みが原因
- 軟骨は再生しない。だから進行前に予防を
- 痛みが出る前の「小さな違和感」が最初のサイン
膝の健康を守るカギは、骨格バランスの調整にある。
身体全体を整えることで、膝関節の負担を減らし、
長く快適に動ける身体を維持しよう。








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