「どこも痛くないから、自分は歪んでいない」
そう思っている人は意外と多い。しかし、身体の歪みは 誰一人として例外なく起こる現象だ。
では、なぜ人の体は歪むのか。
生まれつきの骨格的特徴、遺伝的な要素もゼロではない。
だが最も大きいのは、成長の過程で自然に起こる **“利き手・利き足による機能分化”**だ。
筋肉は使うほどに発達し、使わない側は弱くなる。
発達した筋肉は付着する骨を強く引き、関節をわずかにズラし、ねじれを生み出す。
これが身体の歪みの原点だ。
スポーツをする人、繰り返し動作が多い職業の人は、より筋肉が偏って発達するため歪みやすい。
では筋肉量が少ない人は歪まないのか?
答えは NO。
筋肉が少ないほど関節を支える力が弱く、むしろ関節がブレやすくなる。
関節はすべて連動して動き、動きの悪い部位があると、別の関節が“かばう”仕組みになっている。
このシステム自体は生きるための大切なメリットだが、同時に 代償動作として負担が蓄積するデメリットもある。
問題はここから。
かばっている部位が痛むころには、すでに周囲組織へダメージが広がっていることが多い。
さらに、痛みが一時的に引くと「治った」と錯覚してしまうため、根本原因は放置されたまま。
長年の歪みは筋肉・関節を固め、施術しても “戻りやすい身体” になってしまう。
しかも厄介なのは、脳が悪い姿勢を「正常」と記憶してしまうこと。
そのため正しい姿勢をとると、脳が“違和感”と判断して元の悪い姿勢に戻そうとする。
歪みを根本的に変えるには――
継続した施術で、脳の“間違った正常”を書き換えていくしかない。
少しずつ、正しい姿勢を脳に再教育する。
それが、歪みを本当の意味で改善する唯一の道だ。








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