気づいた時には手遅れになる。“骨格の歪み”は静かに進行する。
万病の元ともいわれる 骨格の歪み。
しかし、大半の人は「痛みがなければ問題ない」と思い込んでいる。
本当は、痛みが消えたから良くなったのではなく――
他の部位が庇って二次障害になっているだけ、というケースがほとんど。
骨格が歪むと、関節の軟骨は片側の摩耗が進みやすい。
関節内には神経も血管もないため、削れていても痛みは出ない。
痛みが出るのは、削れた摩耗片が関節包に当たって炎症を起こした時だけ。
つまり、痛み“がない時”にこそ進行しているのが歪みなのだ。
■ 歪みの前兆は「関節の拘縮」から始まる。
骨格の歪みの前段階で起こるのが拘縮。
1か月ほどで生じることもありますが、年齢・性別・生活習慣でスピードは変化する。
特に40代以降は、
・運動量が低下
・加齢による柔軟性の低下
・筋肉の回復力の低下
が重なり、拘縮が起きやすくなるのだ。
そして最も厄介なのは――
2か月以上放置すると、ケアをしても完全に元に戻らない場合があること。
運動習慣がない人ほど、
筋肉 → 関節 → 骨格 と連鎖して硬くなり、
その結果、体の歪みが加速していくことになる。
さらに閉経後の女性の軟骨は 3倍の速さで摩耗すると言われ、
歪みで負担のかかる箇所ほど、変形性膝関節症などへと進みやすくなる。
これが高齢女性の変形症が多い大きな理由の1つでもある。
■ 200の関節すべてを均等に動かすのは不可能。だからこそ「他動的なケア」が必要。
全身には約200の関節があり、すべてを均等に動かし続けるのは、ほぼ不可能。
だからこそ、
✔ 自分では動かしきれない関節を、
✔ 他動的に動かして拘縮を取り、
✔ 筋肉の収縮リズムを整える
この工程が必要になる。
関節が動き、筋肉がしなやかに働き始めたら、
次は 低下した筋力の回復へ。
その際に最も重要なのが、
拮抗する筋肉を強化すること。
例えば筋トレでいうと――
ベンチプレスの後に、軽いベントオーバーローを行う。
偏った動作のまま終わらせないことで、
筋肉バランスの崩れを予防しながら、収縮状態が改善される。
スポーツ選手であれば、
競技で酷使する方向とは逆の動きを
ウォームアップとクールダウンに入れるだけでも、歪みの進行は大きく変わる。
■ 「正常に動く体」がどんな感覚か。まずはそれを知ることが第一歩。
今の体の状態を“当たり前”にしてしまうと、
本来の動きがどれほど滑らかで、どれほど軽いものか――
その違いすら分からなくなります。続けている人でも、そろそろ、やめていいかなと思い始める。
まずは拘縮を取り除いて、体を本来の状態へ。
動ける体の感覚を取り戻すこと。
そこからが、本当の“動けるカラダ作り”のスタートです。








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