膝が曲がらない。しゃがめない。正座もできない。
MRIもレントゲンも「異常なし」。診断は神経痛。
――しかし、現場では違う顔を見せることがある。
今回のケース。腰痛はない。膝も異常なし。だが患者は動けない。
よくよく探ると「首の硬さ」が腰仙関節に影響を与え、腰が股関節に、股関節が膝に。まるでドミノのように二次障害が連鎖していた。
首と腰は強い関連性を持つ。
腰と股関節、股関節と膝もまた同じ。
人の体は“ひとつながり”であり、痛みは単独で起こるとは限らない。
この症例は、首→腰→股関節→膝と障害が連鎖した稀なケースだ。
「局所だけを見るな。全体を見ろ。」
これが、体を扱う者に突きつけられる真実である。
コメント