肩関節の障害では、中年以降に発症する四十肩や五十肩が有名です。発症すると完治には、平均一年はかかるので、その間に他の関節への二次障害が起きやすくなります。 例えば、肩関節は鎖骨と肩甲骨が連動して動きます。この連動が妨げられる事で胸椎の動きも悪くなります。胸椎は体を回旋させる動きに重要な関節でもあり、胸椎の動きが悪くなると、回旋に関わる仙腸関節(骨盤)の動きも悪くなります。仙腸関節は、もともと2ミリほどしか動かない関節のため、硬くなりやすいものですが、その僅かが動かなくなると、体幹をうまく使えなくなります。 特に野球、テニス、ゴルフといったバットやクラブなどを振るスポーツは一気にパフォーマンスが低下して、様々な不調が現れます。また、肩の可動制限で腕が上がりずらくなると、腕を上げる動作時には腰を反らす形になるため、腰を痛めることに繋がります。これは、ほんの一例にすぎず、職業やスポーツなどでは思いもしない不調が出る事もあるのです。また、肩と遠く離れた箇所に現れる不調だと、それが肩のせいとは気づかないため、改善を遅らせ慢性症状に繋がる事もあります。 これらを回避するには、改善の先延ばしをしないで、都度改善に努める事が重要なのです! …
「腰痛」の記事一覧
誰にでも出来る腰痛対策!
一生のうち、誰もが一度は経験するのが腰痛です! 腰痛と言っても、軽いものから、その場で動けなくなるものまで様々です。 これらの違いは、腰痛の種類が一つではないからです。 腰痛の見分け方は、前に曲げた時に痛いか、後に反らした時に痛いかなどで分別しますが、専門的な話になってしまうので、ここでは腰痛全般での対策をお伝えします。 腰痛対策の基本は予防です。予防で重要なのは、腰に負担をかけない事です。 腰への負担は、日常姿勢が大きく関係するので、まずは、正しい姿勢を覚えましょう。 正しい立位姿勢は、真横から見た時に、耳、肩、股関節側面、膝側面、外踝が縦に揃う立ち方です。その立ち方を意識しながら、壁の前に立ち接触している箇所を覚えておきます。そして、立ち方を記憶させるために、毎日壁の前に立つようにします。 歪みが出ているかを確かめたい時は、壁の少し間に立ち、少しずつ後ろに下がって、最初に壁に接触する位置が、正しい立ち方の時と違っていないかを目安にすると良いです。 座位は、椅子に座る時に、腰と膝が直角に曲がるようにします。この時、足裏全体が床に付く高さの椅子が理想です。 実は腰痛の大半は座位姿勢が原因になっています。 座位姿勢は立位姿勢よりも、接地面が広く、楽な姿勢をとりやすいために、背中が丸まりやすいからです。事務仕事などで、長く座る時は、少なくとも30分に1回は立つようにして、背筋を伸ばすようにしましょう。また、ジッとしている姿勢は筋肉や関節が固まりやすくなるので、足組をするなら交互に組み替えるなどして下さい。 最後に、寝姿勢ですが、出来れば仰向けが望ましいのですが、既に腰痛が出ている時は、横向きに寝て、背中と膝を軽く曲げると痛みが緩和されます。しかし、腰痛がない時は、横向きで寝る事で、下になる側の肩が内側に入り込んで巻き肩の歪みを形成してしまうので注意が必要です。 布団の硬さは、柔らかすぎると、骨格が歪みやすいので、少し硬めのが腰痛予防になります。 朝、目が覚めた時に、いきなり起き上がると、ぎっくり腰になる人もいますので、寝ている間に硬くなった筋肉や関節を少し動かしてから起きるようにしましょう。 日中、活動している時など、荷物やバッグを持つ時は、交互に持ち替えたり、重いものを地面から持ち上げる時は、荷物との距離が空くと、前屈み姿勢になり、腰の負担が大きくなるので、出来るだけ荷物との距離が空かないようにしましょう。 腰痛は姿勢だけでなく水分不足も大敵です。突発的に起きる、急性腰痛のぎっくり腰は、その大半が筋膜の損傷です。筋膜は、全身の筋肉の上を包み込むように覆っている、伸縮性のある薄い膜です。不良姿勢や水分不足などが起きると、筋肉の収縮が悪くなると同時に、筋膜がよじれたり癒着して裂けてしまう事があるのです。 傷ついた筋膜は、処置が良ければ1週間程で修復しますが、応急処置を間違えると、さらに悪化して、2週間、場合によっては、1か月たっても違和感が残る事があります。 予防に勝る治療なし!この言葉を忘れないようにして腰痛から身を守りましょう!! …
台風被災で増える坐骨神経痛
台風15号が過ぎ去り、その爪痕は甚大な被害を残しました。 停電、断水、熱中症など、今だに復旧していない地域もあり、建物被害の補修には数年待ちとも言われてます。 こんな状況だったので、仕事の再開もまだ先と思っていましたが、被災の酷い地域から施術に来られる方がいたので、停電復旧と同時に仕事を再開する事にしました。 東日本大震災の時もそうでしたが、精神的なダメージを受けたり、気が張った状態が続くと身体が緊張します。 今回の台風でも、長引く停電や断水に加えて、今年最高の暑さが重なったために、車内で過ごす人も多くいました。 そのためか、施術に来る方の多くが首や肩の過緊張であったり、坐骨神経痛の人も目立ちました。 首や肩の過緊張は精神的なストレスによるものだと思いますが、坐骨神経痛は、窮屈な姿勢などで殿筋が硬く緊張した事も考えられます。 もともと、坐骨神経痛を患っていた人だと、首の緊張で症状が悪化する事もあります。これは、首の過緊張で硬膜に影響するためです。 坐骨神経痛は長引く事が多いので、症状が進行しないようにストレッチやスクワットをすると予防効果があります。 また、症状が強くなっている人で腰痛を伴う場合は、腰の疾患の疑いがあり、腰痛がなければ、臀部の梨状筋の硬さが原因となるケースが多くあります。 …
首の痛み
首の痛みには、いくつかの異なる疾患や原因があります。 むち打ち症、ヘルニアなどの疾患や、姿勢や先天的な骨格の並列が関係するストレートネックやスマホ首まで、また、単純な原因だと枕の不一致もあります。 こういった異なる痛みでも、負担のかかる箇所は共通している事がよくあります。 頚椎1、2番が硬くなると、首の動きが全体的に悪くなりますが、その時の不具合は、左右どちらか片方の関節に拘縮や引っ掛かりが起きています。 全体的には右利きが多いので、引っ掛かりは右上部頚椎にあることが多く、その部位の動きを改善してあげると、本来の可動域が回復します。しかし、この上部頚椎は腰仙関節にも影響するため、横座りをする女性に多い腰痛では、首の歪みが症状を悪化させている事がよくあります。もちろん、逆もしかりで、腰痛持ちは首の痛みが出やすいともいえるのです。 では、首の痛みは、上部頚椎と腰椎だけ調整すればいいのかというと、それも間違いです。 首は胸椎と連動し、胸椎は肩の動きにも影響します。 肩が硬くなると、腕や手にも影響するため、繋がり全体を検査しなければいけないからです。 仮に、一部分の調整で痛みが減少したとしても、それが大元とは限りません。本当の原因を見つけ出して取り除かない限り、根本改善にはならないのです。 …
誰もが歪む機能性側弯
体が歪むと様々な影響が出る事は広く知られています。 腰痛、肩こりはもちろん、疲れやむくみ、代謝低下で痩せにくい身体になったり、不良姿勢などの、見た目にも影響します。 身体の歪みの多くは筋肉の左右差が関係しています。人には利き手足があるので、左右均等に使っているつもりでいても、完全な左右均等の使い方は出来ないために、身体は歪んでしまうのです。 歪みは、よく使う筋の発達に対して拮抗筋が伸びてしまう事で生じますが、人が活動する時は一部位だけで動くわけではないため、連動する全ての箇所が影響を受けます。 例えば、スポーツをする人が、しない人より歪みやすいのは、スポーツ動作の基本となる反復練習を繰り返すためです。反復練習は骨や筋肉を強くする他に、脳や筋膜に運動を記憶させる役目があり、運動能力を高める効果があります。その反面、むやみに繰り返すだけだと、過度な筋力左右差が生じてしまい、かえって運動機能が低下してしまうのです。 では、運動をしていない人でも、凄く歪む人がいるのは何故か? その多くは不良姿勢による筋のアンバランスです。 日常生活での、座り方、寝方などで筋緊張を高める姿勢をとり続けていると、筋バランスが崩れて、姿勢維持が難しくなるからです。 今は、歪み改善と検索するだけで、たくさんの情報が出てきますが、どれも家庭で出来る簡易の体操ばかりなので、今すぐ何とかしたい症状が出ている時は専門家に頼るのが近道かも知れません。 ここで、一例を紹介しますが、右利きの人に多い歪みの一つに、仰向けに寝た時に、左足より右足が外旋する歪みがあります。 外旋が強くなると、右骨盤が開き過ぎて歩き方に影響が出る他、股関節や膝に障害が出る事があります。また、大腰筋にも影響して、左腕の屈曲制限が起きたり、腰痛に繋がる事もあります。 どこに影響が出るかは、その人の生活習慣などで異なるので、今現在、何かしらの違和感や痛みがあるのなら、歪みのチェックをしてみる事が大切かもしれません。 …
腰痛時の正しい寝姿勢
腰痛の人は、どんな寝方をすれば良いのか? これは、時々、聞かれる質問ですが、腰痛にも色々な種類があるため、一概にどうすればいいというものはありません。 正しくは、腰に負担のかからないようにするだけです。 例えば、仰向けで寝れないために、うつ伏せや横向きで寝る人がいますが、うつ伏せは顔や頚椎、胸椎の歪みに繋がります。また、首の伸展が強くなって、筋拘縮が起こるために、首や背中の痛みを発症しやすくなります。 横向きは、下になる側の肩が内巻きに入り込み、胸筋が緊張して、肩甲骨側の筋が伸びてしまいます。一次的な寝姿勢ならともかく、ずっと同じ寝姿勢であれば不調の原因になってしまいます。 仰向け、うつ伏せ、横向きのいずれかという事であれば、仰向けで、頭と肩を点で支える事のないように、首までしっかり枕に当てるのが良いと思います。ただ、腰が反っている人が仰向けで寝ると、腰とマットの間が空き過ぎるため、腰痛を悪化させてしまう事があります。 それ等を防ぐためには、良質のマットを使うか、腰の下にタオルを当てる、あるいは体そのものを改善させる事です。 仰向けで寝れない人は、背骨が硬くなっていたり、骨盤が前傾していたりします。 フローリングの上で寝た時に、仙骨が床にあたると痛い人は、反り腰なので、関節の動きを調整するだけで、仰向けで寝れるようになるはずです。いずれにせよ、正しい寝姿勢で、腰痛や不眠症が改善したり、睡眠の質が向上することにもなります。 …
丸まり腰から反り腰に変化した症例
骨格ケアセンターの渡邊英司です。 今回の症例は、骨盤後傾から骨盤前傾への姿勢変化についてです。 小学生の頃から施術に通われていて、現在も部活でバスケットをしている子が、久しぶりに腰痛で来られました。 動作検査をすると、前屈で痛みは出ませんが、後屈動作に痛みが出て、側屈と回旋動作は伸びた側に痛みが出ました。 症状が筋肉痛に思えたので話を聞くと、部活の部員が少ないために、痛くても練習が休めないとの事でした。 筋肉はトレーニングによる損傷と回復を繰り返して鍛えられますが、回復しないうちに負荷がかかると損傷が回復せずに炎症することもあります。また、今回のケースは不良姿勢による影響もありました。 不良姿勢での運動は、通常の姿勢よりも無理な体勢を強いられるからです。初回の記録をみると骨盤後傾と記されているのに、今回は骨盤が前傾に変化していました。姿勢の変化は年代や妊娠で変わる事がありますが、今回のケースは姿勢変化の起きる時期と不良姿勢が重なりハイパーモビリティー(動き過ぎ)になってしまったのではないかと思えます。 ハイパーモビリティーになると、関節が不安定になります。骨盤が前傾する人は腰椎すべり症、分離症、脊柱管狭窄症に繋がる事も考えられます。また、骨盤が後傾する人は椎間板に負担がかかり、椎間板ヘルニアを発症することもあります。これらを防ぐためにも、全身の柔軟性とスタビリティーを高める必要があるのです。 …
ジャンパー膝(膝蓋腱炎)
骨格ケアセンターの渡邊英司です。 ジャンパー膝とは、膝を酷使するスポーツに起きやすい疼痛で、正式名称を膝蓋腱炎といいます。 スポーツではバレーボールやバスケットなどのようにジャンプを繰り返したり走り回る競技にも多くみられるスポーツ障害です。 発症要因の一つとして大腿四頭筋の硬さが関与します。特に小中学生で発症するケースの多くはストレッチ不足や骨の成長に筋肉が追い付かない事があります。 ジャンパー膝を発症した人はうつ伏せで膝を屈曲させる検査を行うと腰が浮き上がり踵がお尻に付きません。これは痛みから逃げる動作ですが、それに加えて大腿四頭筋と腸腰筋の硬さがあります。大腿四頭筋や腸腰筋が硬くなると、膝屈曲時に膝蓋骨と周辺組織に過度な牽引力がかかるために膝の損傷が起きやすくなるのです。 これは、ジャンパー膝を発症していない人にも似たような特徴が出る事があります。その場合は反り腰腰痛や膝痛の予備軍なので大腿四頭筋や腸腰筋の柔軟性を高める必要があります。これらを放置しておくと連鎖的に骨盤の動きも悪くなります。 骨盤の動きが悪いと体幹が連動しなくなるため、疼痛やスポーツパフォーマンスの低下に繋がるのです。 …
痺れや痛みで歩けなくなる間欠性跛行
骨格ケアセンターの渡邊英司です。 間欠性跛行とは少し歩いただけで、足に痺れや痛みが出てしまうため、休み休みでなければ歩けない症状のことです。これは高齢者に多くあり、原因には二つあります。 その一つは脊柱管狭窄症です。 脊柱管狭窄症は加齢や腰にかかる負担の蓄積で発症します。これらは腰椎の変形などで背骨の内側を通る神経や脊髄が圧迫されてしまう事で症状が現れます。 狭窄症は身体を丸めると神経の圧迫が緩和されて楽になる特徴があります。 これを水道ホースに例えると、後屈動作で折れ曲がり前屈動作で広がるイメージです。そのため、身体を反る姿勢で症状が強くなるのです。 もう一つの間欠性跛行は閉塞性動脈硬化症による血流障害があります。これは血管の病気で起きるので、対応も整形外科ではなく血管系の病院になります。 原因がわからなくて、どこの病院に行けばいいかがわからない人もいますが、この二つの間欠性跛行には見分け方があります。脊柱管狭窄症は身体を丸めなければ楽にならないのに対して、閉塞性動脈硬化症は少し休むだけで歩けるようになります。 注意しなければいけないのは、既に脊柱管狭窄症と診断された人かも知れません。脊柱管狭窄症は進行するのでいつ間欠性跛行が起きても不思議ではありません。そうなると仮に閉塞性動脈硬化症を発症しても血管の病気と思わずに見過ごしてしまう可能性があるのです。 私の所にも脊柱管狭窄症の方がよくみえますが、その中で早急に手術が必要な方はまだいません。多くの方は経過観察中なので痛みの緩和に来られます。また、脊柱管狭窄症という診断を受けていても、痛みや痺れの原因が狭窄症とは限りませんから、歪みを整えるだけで改善緩和する事もあります。逆に血管の病気の疑いがある人は、脳卒中や心筋梗塞など命にかかわる事もあるので早急に病院を受診してはいかがかと思います。 …
関節痛と脱水症
骨格ケアセンターの渡邊英司です。 体の痛みで訪れる人の大半は関節と筋肉が硬くなっています。そして、その多くの人が水分摂取量不足と感じています。水分摂取量が足りないと、血液が不足して、血流が悪くなり、老廃物が排泄しにくくなり“コリ”の原因になる他、体内から電解質が失われます。電解質が失われると、神経や筋肉に影響が出て、“足がつったり、しびれや脱力感”が現れる事があります。 人間の体の60%は水分で、その多くは筋肉に蓄えられます。筋肉に蓄えられた水分が不足すれば、関節と筋肉の弾力が低下します。 例えば、“ぎっくり腰や寝違い”は、全身疲労がきっかけで起きる、筋膜の損傷が多くあります。 これは患部にかかり続けた“負担の蓄積”が主な原因ですが、そこに脱水症状が重なると、さらに発症リスクが高くなります。 ぎっくり腰や寝違いが多い季節が、“夏と冬に集中”しているのも、それを物語っている気がします。この事から、脱水が関係する症状は、こまめな水分補給をする事を前提に、施術をしないと、改善には時間がかかってしまいます。 一日に必要な水分量は、体重の30分の1です。 成人なら、少なくても1日2リットル以上が必要です。あまり、水を飲まない人には大変な量ですが、いつでも飲める所に置き、目に付いたら飲むようにすると、少しずつ飲めるようになります。また、お茶やコーヒーは、体に良いとされてますが、利尿作用があるので、脱水ぎみの時は飲む量を控えましょう。 …