今までは身体の痛みのトップは腰痛でしたが、ここ数年は腰痛を超えて首の痛みで来院する人が増えています。首の不調の要因は様々ですが、最も多いのは姿勢での影響です。

猫背姿勢を例にすると、背中を丸めた姿勢をしていれば、自然に顎が前に突き出してしまいます。成人の頭の重さは6キロ前後あるので、首を最大角度の60度まで傾けた場合は、首に27キロ程の負担がかかります。

その負担は後頭部周辺の筋肉群に緊張状態を作り出し、負担が蓄積したまま首を動かし続けていると、関節軟骨が肥大増殖していき、骨に棘状のでっぱり(骨棘)が現れる事があります。

骨棘が出来ると神経の通り道が狭くなるため、神経が圧迫されやすくなります。また、椎骨動脈の血流が悪くなると、目眩、耳鳴り、頭痛などが出やすくなります。

首の負担を減らすには、頭が背骨の上にバランスよくのる姿勢を保つことが望ましいのですが、現代のようにスマートフォンが欠かせない時代になると、うつむき姿勢をしない方が難しくなります。特に小中学生は、スマホゲームに夢中になって何時間も下を向いているという話も耳にします。

辞めるのは無理としても、合間には姿勢を正して首の負担を減らしたり、軽い運動をして筋肉が硬直しないようにするなどの対策をしないと、近い将来には、首の不調は国民病のように増えるかも知れません。